僕たちの帰る場所3 (ページ22)

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悩んだときはページ22

fk side

kj「ああ…俺はどうしたらええんや…」

珍しく早い時間に来たと思ったら、カウンターで頭を抱え、ずっとそう呟いている康二。

「どうしたの？」
俺が聞くと、語彙力が極端に低下している康二に代わってめめが答えてくれる。

mg「…というわけなんですけど」
「え、すごいじゃん！」

そんな高名なカメラマンから直々にスカウトだなんて、なかなか経験できるもんじゃない。
でも、当の本人は迷っているみたいだ。そういえば受賞の報告に来てくれた時も、プロになるって話が出た途端顔が曇ったっけ。

そんなことを考えていると、
kj「ふっかさんはどう思います？」
という言葉とともに、突然こちらに矛先が向いた。

mg「そうだ。ふっかさんもサラリーマンやめてこの店開いたじゃん。その時、そういうこと考えなかった？」

うーん、そう聞かれてもなあ…
俺は勢いだけでこの店を始めてしまったから、そういう相談に対して全くと言っていいほど参考になる意見を言ってあげられない。

「直感を大事にしろってことくらいかな、俺から言えるのは。参考にならないでしょ？」

俺がそういうと、康二もめめもふふっと笑う。
kj「何やそれ～。ふっかさんらしいといえばらしいけどさ…」

「ごめんごめん。だからさ、他のみんなにも話聞いてもらったらいいよ。この店には色んな経歴の人が揃ってるからさ」

すると康二の顔にパッと輝きが戻った。そして、彼は嬉々としてみんなの元へ駆けていったのだった。