僕たちの帰る場所3 (ページ1)

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交差する想いページ1

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バレンタイン当日の昼休み、僕はいつも通り屋上にやってきた。何も気にしないフリをしているけれど、内心はバクバクだ。

けれど、そんな期待も虚しく、彼女の姿はないようだった。
仕方なく、いつも通り練習を始める僕。

しばらくして屋上のドアが開く音がした。
つい身構えたけれど、そこにいたのは僕の想いびとではなくて…

『あ、いたいた。いつもここで練習してるって聞いたから。これ、よかったら食べて』
『あの…これ、受け取ってください』
『私からもこれ』

バタバタと何人かの女子が入ってきて、チョコを渡しては去っていく。もちろんありがたいことなんだけど、なんだ違った、なんて思ってしまうのが本当に申し訳ない。

結局そのまま昼休みは過ぎてしまった。
午後の授業を挟んで放課後を迎えても、僕の元を訪れるのはやっぱり大して話したことのない子ばかりで、想定内のこととはいえどもやっぱり残念な気持ちになってしまう僕。

まあ、これからも北野さんと屋上で話せるなら別にいいかな、なんて気持ちを切り替えて、下校しようとしていたその時…

僕の目に留まったのは、4つに折られて靴箱に入ったメモだった。
開いてみると、そこには流れるような綺麗な字でこう書いてあったんだ。

『放課後、もう一度屋上に来てください。待っています。北野響子』

その瞬間、僕は屋上へと走り出していた。