僕たちの帰る場所 (ページ45)

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ab side

iw「ご注文承りました」
恭しくそう言う照。

俺は、自分のカクテルもさることながら、佐久間のカクテルも相当楽しみにしていた。
やっぱり、このメンバーの中でも最初に俺を救ってくれた佐久間には思い入れがある。

照の説明によると、佐久間のカクテルのベースはウォッカ。そこに、グレープフルーツジュースとクランベリージュースをミックスするらしい。フルーツいっぱいなところは、いつも元気な佐久間らしい。

iw「お待たせしました。シーブリーズでございます」

キラキラのロックグラスに入って出てきたのは、鮮やかなピンク色のカクテル。

iw「カクテル言葉は、そよ風。いつも軽やかで、みんなを楽しい気分にさせてくれる佐久間をイメージしてる」

その時、照がこっちを見て微笑んだような気がした。
確かに、俺にとっての佐久間はまさに爽やかな風のような存在だった。かたく閉じていた俺の心の扉を開いて新たな風を吹かせ、知らなかった世界を見せてくれたんだ。

sk「かわいい。背の低いグラスなとこも俺っぽくない？」
それを聞いて笑うみんな。
佐久間はいつもこんな感じで、俺がこんなに影響を受けていることをわかってるのかわかってないのかって感じだけれど。

sk「いただきまーす…おー、これ俺好き。めちゃくちゃ飲みやすい」
iw「女性にも人気のカクテルなんだ」

「佐久間よかったな。それ、すごく似合ってるよ」

俺がそういうと、佐久間は恥ずかしそうに、頬を赤く染めた。

sk「ありがと」
それを見て、俺も幸せな気分だ。

iw「次のご注文は？」
nb「じゃ俺いこうかな」
iw「かしこまりました」

次は翔太だって。どんな一杯が出てくるんだろう。