僕たちの帰る場所 (ページ8)

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kj side

ふっかさんが会社を辞める。
その話を聞いた時、確かにちょっと残念には思ったけれど、不思議と落ち込みはしなかった。

ふっかさんは俺がこの広告代理店に入った時からお世話になっている超優秀な先輩で、関西から就職を機に上京して戸惑っている俺をすごく気にかけてくれた人だ。
何度も同じチームで仕事をしてきて、今じゃ兄弟みたいといわれる仲になった。

「ふっかさん～なんで辞めちゃうんですか～？俺寂しいやん～」

fk「ああ、ちょっとやりたいことが出来てな。康二、俺の居なくなった後のことは宜しく頼むよ」

そう言ったふっかさんの目がすごく楽しそうで、だから俺もふっかさんの言葉をすんなりと受け入れられたのかもしれない。まったく、最後の最後まで人誑しな人だ。

「やりたいことって？」

fk「昔の仲間と店を出そうと思ってるんだ。いつか康二も来いよ。みんなに紹介する」

…うん、なんだかふっかさんらしい。
そういうことなら、それまで俺も仕事頑張らないとな。

いつか、ふっかさんに見合うような男になるために…