僕たちの帰る場所 (ページ21)

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ab side

sk「はは、阿部ちゃんそういう顔も出来んだ。いや、今ダンス部作ろうと思ってんだけどさ、人が足りなくて。阿部ちゃん協力してよ」

今思えばなんて強引なやつなんだ。
ダンスなんて、見るからに向いてなかっただろ、俺。

sk「ね、絶対楽しいって。
阿部ちゃんの後ろの席の岩本照っているだろ、あいつも一緒だから。小学校一緒だったからわかるんだけどさ、強面に見えて、結構かわいいやつなんだぜ。阿部ちゃんきっと仲良くなれると思う」

だけど結局、佐久間の異常なプッシュに押されて協力する羽目になり、そこで照をはじめ、ふっか、翔太、舘さまと出会うことになったんだ。

ダンスはやってみると案外楽しかった。
もちろん親には大反対されたけど、成績を落とさないって条件でなんとか認めてもらった。

踊っている間は家での嫌なことを忘れられたし、
それにｰｰｰｰ

nb「え、阿部って案外毒舌なの？」
iw「お前今更気づいたのかよ」
fk「しかも意外とポンコツだよな」
dt「天才と天然は紙一重って言うしな」

「…うっせ、バーカ」

sk「ほらほらほら、出たよ」

素の自分を出せる、一生ものの仲間も出来たんだ。

でも、そうなったことで、改めてうちの家の異常さというか、息苦しさにも気付いてしまった。

だから、親への反抗の気持ちもあって、医者の道は選ばず会計士という職についたんだ。