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樹と初めて出会ったのは
高校2年生になったばかりの時。
仲の良かった友達とクラス替えで離れて
少しずつ賑わい出す教室で これからどうしよっかなー、なんて1人で考えていた。
「何さんだっけ？」
不意に頭の上から聞こえた男の子の声。
それにびっくりしてゆっくり顔を上げると、
いかにも「チャラい」って感じの彼と目が合った。
「あれ、初対面？
1年とき何組だった？」
『……… 4組、だけど』
そりゃ苗字知らないはずだわ
なんて、くしゃっと笑う彼を見て
自分の頬も微かに緩んだのを憶えてる。
そんな出会いから数週間
私と樹は仲良くなるのに時間はかからなかった。
「Aー、
一緒に売店行こーぜ」
『奢ってくれんならいいよ？』
厚かましいやつ、なんて言いながらも
ちゃんと私が好きなパンとジュースと買ってくれて
屋上のベンチで2人、たわいもない会話をしたり
スマホゲームで盛り上がったり
私たちの仲は、どんどん深まっていった。
高校2年生の冬。
『樹は好きな人とかいないの？』
友達以上、恋人未満
一緒に過ごしていく中で
そんな曖昧な関係になってしまった私たちの仲がはっきりしたのは
忘れもしないあの日。
こんなに毎日一緒にいて、
休みの日だってたまには遊んだりして。
…… 好きにならないわけがなかった
もしかしたら樹も、
なんて少しの期待を胸に聞いたその問は
この先、一生口に出すことはない
「いない。つか彼女は作んない」
それはいつもより低くて不機嫌な声で
地雷を踏んでしまった、と気付いた時には遅く
ごめんという言葉が出てこず、ただ樹の次の言葉を待つしかなかった。
「面倒くさくね？
嫉妬とか束縛とかそういうの、俺は無理。
やりたい時にテキトーな女捕まえて
必要なくなったらポイ。
1番楽じゃん？」
ずっと不思議だった
あんなにモテるのになんで彼女作んないんだろうって
私がいるからなのかなって、ちょっと自惚れてた。
『………、そっか』
「んな暗い顔すんなって。笑
もうこの話は終わり。な？」
好きになんなよ、
そう釘を刺された気がした。
私と樹の関係は、あくまで「友達」
恋仲には程遠いんだと、なれるわけがないんだと
失恋を自覚するには十分だった。
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莉帆(プロフ) - 久々の更新嬉しいです！楽しみにしてます！ (3月7日 3時) (
レス) id: 68b2be3bb7 (このIDを非表示/違反報告)
maundy(プロフ) - 更新ありがとうございます。すごく嬉しいです！！樹にもほっくんにもめちゃくちゃときめいてます！固唾を飲んで続きを見守らせていただきます。 (12月12日 13時) (レス) @page46 id: 0a6eebb885 (このIDを非表示/違反報告)
maundy(プロフ) - ほっくんとの続きが気になっていますが、更新の予定はありますか？卒業式に話せたのかな、どんな話になったのかな、とドキドキしています！ (11月27日 8時) (レス) @page44 id: 0a6eebb885 (このIDを非表示/違反報告)
makoyulove(プロフ) - 大好きな小説です＾＾続編も欲しいくらい！！ (8月23日 23時) (レス) @page44 id: bfe610f7f4 (このIDを非表示/違反報告)
みと(プロフ) - もうじゅったんかっこいいって思いながら毎回楽しく読ませて頂いています♪続きも楽しみにしてます🫶 (8月1日 22時) (レス) id: cc723408f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にこ x他1人 | 作成日時：2023年7月13日 17時
