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そんな日々が数ヶ月も続き、灰谷が六本木を仕切っていると広まり出したある日、人数もかなり増えたBARに1人の男が訪ねてきた。
スーツを着こなした胡散臭い、歳の頃は4.50代と言ったところだろう。
「こちらに灰谷さんはおられますか?」
突然現れたスーツにシン。と静まり返る。
「んだテメェおっさん
何の用だよあぁん?」
オラオラと顎を上下させながら近付く奴らを怪訝そうに見ながら、かけているメガネをグイッと上げた。
「灰谷さんに私共の社長がお会いしたいと申しておりまして
アポを取りに参りました」
「あぽぉ?
なんだよあぽぉって!バカにしてんのかてめぇ!」
今にも掴みかかりそうな奴らにため息を吐いて、止めさせるようにタダに顎で指す。
後ろからタダに首根っこを掴まれた奴は叫びながら強制的に下がらされた。
『アポってのは約束みたいなもんだよこのバカ
で、あんたのボスが私に何の用』
定位置のカウンターに片膝を立てて座り、もう片方をぷらぷらと揺らしながらタダが教えてくれたピーチフレーバーのメンソール香るタバコの煙をフゥと吐き出した。
その男は私をみてぱちぱちと瞬きを繰り返す。
「…こんな少女が?六本木を仕切る灰谷?」
『そうだけど、なに?』
下から睨みつける私に合わせて、座っていた連中もガタッと立ち上がる。
「っ!!
ぁ、い、いえ!その…思っていた灰谷さんと随分違っていたので…その
まさか女性だったとは」
ズボンのポケットから取り出したハンカチで汗を拭う男は、目を合わせてはすぐ逸らし。を繰り返す。
『お前ら座れ
それで?』
スーツの男はダラダラと座り直した奴らをチラチラと見ながら遠慮がちに口を開いた。
「社長が灰谷さんにお会いしたいと」
『それさっき聞いた
会ってどうすんの?』
「話しの詳しい内容は…
ただ、依頼したいことがあると…」
『依頼?
なんか勘違いしてないか?暴力団じゃねぇんだけど
大体こっちのメリットは?』
「……社長からこれをお預かりしました」
渡された手紙を受け取り、ぺらっと広げる。
サッと目を通したが、要はそこそこの金も払うし、六本木の裏を見せてやると言ったところか。
裏か。踏み入ってしまえばもう2度とシンイチロー達には会えないかもしれない。
でも六本木は灰谷のものだ。
それに蘭と竜胆なら楽しそうだと足を踏み入れるだろう。
『……わかった
私はいつでも良い、そう伝えて』
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玉兎(プロフ) - なるさん» はっ!!(*゚ロ゚)!! ありがとうございます!!✨✨ 頑張ります!!🥰 (2022年8月18日 12時) (レス) id: 2cb29c266f (このIDを非表示/違反報告)
なる - やっぱりこのシリーズとっても面白い!! これからも頑張ってください(^_^) (2022年8月18日 11時) (レス) @page25 id: 4373cfedf7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» いつも楽しみにしてくださって嬉しいです!ありがとうございます(⌯˃̶᷄ ⁻̫ ˂̶᷄⌯)✨✨ (2022年5月25日 21時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 蘭ちゃんに一体何が…続きが気になります✨ (2022年5月25日 15時) (レス) @page48 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» 久遠さんいつもありがとうございます! かなり増えましたね笑 (楽しくてつい書き込んでしまった…) 5も引き続きよろしくお願いしますね♡(≧ω≦ ) (2022年5月24日 20時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉兎 | 作成日時:2022年5月14日 14時