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「あんたは食わねぇの」


『食べたじゃん
春巻きとー、小籠包とー、胡麻団子』


「は?それだけ?」



切れ長の目を大きく見開いて言うココのほっぺに付いた米粒を取って、パクッと食べてニヤリと笑う。


『あと米粒』



カァと顔を赤くさせたココは更にスピードを上げてお皿を空にして行った。


その様子を頬杖をついて見守る。





『腹は膨れたか?』


「もう3日は何もいらねぇ」


椅子にもたれて少し膨らんだお腹を摩るココは満足そうな顔をしている。


『じゃ帰るかー
吐くなよ』


「吐かねぇわ」




元いた公園に戻ってきたあと、ヘルメットを差し出すココは私の目を見て口を開いた。



「永井の件は俺が調べる

誰にも先越されることなく、Aさんに1番に伝える
だから大金用意しとけ」



『わかった

頼んだ奴、今借金に追われててそれどころじゃないと思うから
今のところ有利だよ』



「は?」


じゃぁね。と再びバイクを走らせた。








BARに戻り、入り口で待ち構えていたタダに火を要求する。


カウンターの椅子に足を組んで座って、灰皿に灰をトントンと落とした。



『…軍神がテメェの方針見誤ってたら世話ねぇな』


「どう言うことです?」


『なんでもない』



ふぅといつもより長めに吐き出したのは、煙かため息か。



「…明司武臣の事ですか?」


『なんでもないって言ったろ〜?』


「すみません」



ペコリと謝るタダにふっと笑い、武臣。と短く答えた。



明司武臣が借金に追われていると耳に入ったのはほんの数日前だ。


過去の栄光は続かないと忠告したのに聞かないからだ。


何か言ってくるだろうか。と一瞬思ったがあのプライドの高い男のことだ。

借金を抱えた。助けてくれ。なんて天地がひっくり返っても言わないだろう。



まだ頭を下げに来たら可愛げがあるのだけれど。



『ま、ないか』



今度の呟きには小首を傾げるだけで何も言わなかったタダを鼻で笑った。




「Aさん
明日の夜はご自宅のマンションで過ごしてください」


『は?なんで?』


「お願いします」


『え?理由は?』




今は言えません。と言うタダをジッと睨むように見つめるが口を割ろうとしない態度に、わかった。と渋々返した。



こいつがここまで強く言うのなら何かあるのだろう。



『大した事じゃなかったらシメるぞ』



「はい」


えらく自信満々の態度に少し面食らった。

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玉兎(プロフ) - なるさん» はっ!!(*゚ロ゚)!! ありがとうございます!!✨✨   頑張ります!!🥰 (2022年8月18日 12時) (レス) id: 2cb29c266f (このIDを非表示/違反報告)
なる - やっぱりこのシリーズとっても面白い!!  これからも頑張ってください(^_^) (2022年8月18日 11時) (レス) @page25 id: 4373cfedf7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» いつも楽しみにしてくださって嬉しいです!ありがとうございます(⌯˃̶᷄ ⁻̫ ˂̶᷄⌯)✨✨ (2022年5月25日 21時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 蘭ちゃんに一体何が…続きが気になります✨ (2022年5月25日 15時) (レス) @page48 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» 久遠さんいつもありがとうございます! かなり増えましたね笑 (楽しくてつい書き込んでしまった…) 5も引き続きよろしくお願いしますね♡(≧ω≦ ) (2022年5月24日 20時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玉兎 | 作成日時:2022年5月14日 14時

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