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その言葉に堰を切ったように泣き出すココをただじっと見ていた。
「俺に、俺にもっと金があれば…」
金に苦労したことはない。
欲しいと思ったこともない。そこに存在して当たり前のものだったから。
親が関わり合わないことを条件に毎月振り込んでくる金は、遣い込む間もなく貯まっていくほどだった。
欲しい物はなんでも買えた。
だから、欲しい物などなかった。
でも今、欲しいと思う"モノ"は金じゃ買えない。
『金…か』
嗚咽が聞こえなくなった頃、Aさん。と呼ばれた。
「受けるよ
あんたの依頼」
泣き腫らしたぐちゃぐちゃの顔をあげて言うココをジッと見る。
『…いや、今日はいい』
「やる！！俺やるから！
なんでもする！」
背を向けようとする私の手を掴んで、縋るように言うココの手をそっと払う。
『……今日はいい』
「なんで…」
まるで捨てられた犬のようなココと目を合わせる。
『最近新しくできたクレープが食べたかっただけだから』
「は？」
『でももう気分じゃなくなった』
だからいい。と言った私の胸ぐらをグッと掴んだココは大きく息を吸い込んだ。
「はぁぁあ！！？ふっざけんな！！
俺をなんだと思ってんだよ！！
アイスの時も言ったけど！！ただのパシリじゃねぇか！！
大体テメェバイク持ってんだから自分で行けや！！！」
電話でブチギレてた時同様の剣幕に笑いが込み上げる。
『ふふ…ふっ……アハハハハハ
はぁ〜おもしろ
しゃーねぇなぁ
奢ってやるから行くぞー』
「はぁ！？
いや、趣旨変わってんじゃねぇか！！」
肩を組んで未だ耳元で叫ぶココに、やかましい！と言ってヘルメットを渡した。
『しっかり掴まれよー』
「ぜんっぜん人の話聞かねぇ！！！
しかもなんかキャラ変わってるし！！！」
『猫被んのやめたー』
ケラケラっと笑ってブンっと鳴らしたエンジンに慌てて私にしがみつくココにふふっと笑う。
『結構食べるじゃん』
クレープ屋を素通りしてたどり着いた中華料理店で、好きなだけ食べろと言ったのは30分前。
メニューを齧り付くように見た後呼んだ店員に、ここからここまで。と注文した時は飲んでたお茶吹いた。
本当に大丈夫かと心配したが、順番に届く料理をパクパクと吸い込んでいくココにあの感想が漏れた。
竜胆もよく食べるがここまでではない。蘭は少食だし。
見ていて爽快感があるな。と思い、緩む口にタバコを咥えて火をつけた。
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玉兎(プロフ) - なるさん» はっ！！(*ﾟﾛﾟ)!! ありがとうございます！！✨✨ 頑張ります！！🥰 (2022年8月18日 12時) (
レス) id: 2cb29c266f (このIDを非表示/違反報告)
なる - やっぱりこのシリーズとっても面白い！！ これからも頑張ってください（＾_＾） (2022年8月18日 11時) (レス) @page25 id: 4373cfedf7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» いつも楽しみにしてくださって嬉しいです！ありがとうございます(⌯˃̶᷄ ⁻̫ ˂̶᷄⌯)✨✨ (2022年5月25日 21時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 蘭ちゃんに一体何が…続きが気になります✨ (2022年5月25日 15時) (レス) @page48 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» 久遠さんいつもありがとうございます！ かなり増えましたね笑 (楽しくてつい書き込んでしまった…) 5も引き続きよろしくお願いしますね♡(≧ω≦ ) (2022年5月24日 20時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉兎
| 作成日時：2022年5月14日 14時
