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タバコを咥えると、すかさず隣から差し出されるライターの火にはもう慣れた。



ふぅと吐き出した煙を見上げてまた昨夜の事を思い出す。


赤くなる顔を隠すようにガクッと下を向いた。



「Aさん?」


大丈夫ですか?と覗き込もうとするタダに手を振って大丈夫だと伝える。



どうしよう。こんな状態じゃ困る。すごく困る。



何度かその症状を繰り返して皆に心配され出した頃、タダが遠慮気味にそろそろ、と声をかけてきた。


ケータイを見ると21時半。


大きなため息をついて気持ちをリセットさせる。



待ち合わせ場所はバイクに乗る必要のないほどの距離にあるレストランの個室だった。


店員に案内されるがまま個室へ入るとそいつは既にいた。


いい服を着て、洒落たピアスをつけているが子供だ。


マジで?と目でタダに問うが、タダは小さく頷いて椅子を引いた。


その椅子に腰掛けてじっとこちらを見るそのガキにニッコリと笑う。


『お待たせしてしまったようね
ごめんなさい』



いえ。と小さく答えたガキはまだじっとこちらを見つめる。


『何か?』


「いえ、ただ、その男が主人だと言うのでどんな男が来るのかと思ったらまさか女だったとは」


『こちらこそ、金次第で何でもすると言うから、どんな人間かと思えば子供だったとは』


私の事をギロッと睨むガキをふふふと笑う。


「それで」


本題に入ったガキにタダが1枚の写真を机に置いた。



『名前は竹中
本名かどうかは定かではないけれど

そいつは表向きは普通の会社を経営する社長
でも、本質はがっつり裏側の人間

そいつの経営している会社のビルを見つけて欲しいの

いつも乗っている車は黒塗りのクラウン
ナンバーは××-××


できるかしら?』



少し考えるように顎に手を当てたガキは、わかりました。と答えた。



「情報が少なすぎることと、こちらのリスクも考えて100でいがでしょう」


『200よ』


「は?」



ガタッと席を立ち、放心するガキにケータイの番号を書いたメモを渡して、よろしくね。と言って部屋を出た。










「200も良いのですか?」



『もし本当にあいつの情報をくれるのなら安いくらいだ
それに今回はあのガキが本当に使えるか知りたいだけだから』




よくわからない。と言う返事をするタダにフッと笑い、これからわかる。と返す。



帰りに適当な店に入り夕飯を済ませた。



「今日は帰られますか?」


BARに着いたときタダがそう聞く。

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玉兎(プロフ) - なるさん» はっ!!(*゚ロ゚)!! ありがとうございます!!✨✨   頑張ります!!🥰 (2022年8月18日 12時) (レス) id: 2cb29c266f (このIDを非表示/違反報告)
なる - やっぱりこのシリーズとっても面白い!!  これからも頑張ってください(^_^) (2022年8月18日 11時) (レス) @page25 id: 4373cfedf7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» いつも楽しみにしてくださって嬉しいです!ありがとうございます(⌯˃̶᷄ ⁻̫ ˂̶᷄⌯)✨✨ (2022年5月25日 21時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 蘭ちゃんに一体何が…続きが気になります✨ (2022年5月25日 15時) (レス) @page48 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» 久遠さんいつもありがとうございます! かなり増えましたね笑 (楽しくてつい書き込んでしまった…) 5も引き続きよろしくお願いしますね♡(≧ω≦ ) (2022年5月24日 20時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玉兎 | 作成日時:2022年5月14日 14時

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