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「そいつはガキの頃からクッッッソ生意気でな〜
可愛げはないわ、態度はでかいわ、口は悪いわ、所業も悪くて、考えることはぶっ飛んでるし、平気で人の骨折るし」



あ、あれ?なんかめちゃくちゃ悪口言われてる?


ほんとに好きなの?

実は親の仇ほど憎んでない?



なんかいろいろ思い出したのだろう。手を掴んでいない方の手で頭を抱えてため息をついたシンイチローは、でもな。と続けた。




「でもな、そいつはいつも自分に自信があってな、相手が誰だろうが何人いようが1人で突っ込んでいって、勝っちまうんだよ

それで、いつも自信に満ち溢れた顔で笑うんだ

危なっかしくて、放っておけなくて、籠に閉じ込めてしまおうかと思った時もある


でもそいつが1番綺麗な瞬間は、自分の羽に自信を持って飛び立った瞬間なんだよ

キラキラしてて、ついさっきまで手の届く所にいたのに、遠くへ行っちまう

それでも俺はそいつが羽ばたいている時が1番好きだ


背負ってるものがあっても、守るものがあっても、それを感じさせないくらい軽やかに飛ぶんだよ」



どこまでも優しい声と、どこまでも優しい顔で言うシンイチローは太陽のように暖かかった。



「で、俺はそいつのとまり木

いつでも帰ってこい
傷ついた羽根癒しにきたお前1人受け入れるくらい造作もねぇよ」



「いいとこ持っていかれたけど、真ちゃんの言う通りだなぁ

俺らはお前の力強い無鉄砲さに惹かれたんだ
多分、こいつの元の持ち主もな」


そう言ってワカはポンとハーレーに触れた。



『ぁ…忘れてた
託されたんだ…』


キュッとシンイチローの手を握り返して深呼吸を1度する。


次目を開けた時は元の私だ。


「「「よし」」」


3人はその顔を確認して大きく頷いた。



鍵をバイクに刺してエンジンをかける。


『ねぇシンイチロー』



「ん?」


『なんでいつもとんでもないタイミングで告るのに
弱ってる私に何も言わなかったの?
チャンスあったかもしれないのに』



キョトンとした顔をした後、フッと笑って腰に手を当てたシンイチローは少し踏ん反り返って答えた。



「弱ってるお前落としたって意味ねぇんだよ
真正面からぶつからねぇと」



「寝込み襲っといて何が真正面だよ」


「ワカ!お前空気ぶち壊すな!!」



ゲシッと隣に立つワカのお尻を蹴ったシンイチローにふふっと笑って3人の顔を見る。



『ちゃんと連絡する』


「絶対だぞ」


即答するベンケーにコクンと頷いてスロットルを回した。

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玉兎(プロフ) - なるさん» はっ!!(*゚ロ゚)!! ありがとうございます!!✨✨   頑張ります!!🥰 (2022年8月18日 12時) (レス) id: 2cb29c266f (このIDを非表示/違反報告)
なる - やっぱりこのシリーズとっても面白い!!  これからも頑張ってください(^_^) (2022年8月18日 11時) (レス) @page25 id: 4373cfedf7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» いつも楽しみにしてくださって嬉しいです!ありがとうございます(⌯˃̶᷄ ⁻̫ ˂̶᷄⌯)✨✨ (2022年5月25日 21時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 蘭ちゃんに一体何が…続きが気になります✨ (2022年5月25日 15時) (レス) @page48 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 久遠さん» 久遠さんいつもありがとうございます! かなり増えましたね笑 (楽しくてつい書き込んでしまった…) 5も引き続きよろしくお願いしますね♡(≧ω≦ ) (2022年5月24日 20時) (レス) id: 99723d5af6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玉兎 | 作成日時:2022年5月14日 14時

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