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「昨日の夜は何を食べたんだい?」
ノートの1ページ目を開きながら
相変わらずにこにこと、絵に描きやすそうな笑顔で聞く校長。
「目的はなんだ
んなこと知ってどうすんだよ」
ブチ切れそうな蘭が隣で校長を睨む。
どちらかといえばいつも余裕のある笑みを浮かべている蘭が、ここまで感情を出すのは珍しかった。
蘭もどこか落ち着かなさを感じているのだろう。
蘭の言葉にフムと顎に手を当てる校長は少し悩んだ末ゆっくり口を開いた。
「目的か
そうだな〜
ただ知りたい君たちを
噂ならたくさん聞く、だが君たち自身の話は何も入ってこない
君たちに喧嘩はダメだと言う人は君たちの何を知ってそう言うのかな?
君たちを軽蔑する人は君たちの何を理解しているのかな?」
何も知らないなら何も言えないだろ?そう言った校長の笑顔はは、今まで私たちに向けられてきた媚を売り、機嫌を取る人達のソレとは全く違うものだった。
はぁ〜と長いため息をつき、ボフっと背もたれに身を沈める蘭は目を閉じていた。
「昨日はカップ麺
俺が豚骨、竜胆が味噌、姉ちゃんが塩」
竜胆が横でバッと私越しに蘭を見る。
先ほどまで戦闘態勢だった蘭が急にやめたのだ。キョロキョロと私と蘭を交互に見る竜胆に笑って肩をすくめる。
きっとまた蘭の気まぐれだ。
竜胆も背もたれに沈んだ時に、少し驚いた顔をしていた校長がまたもやニッコリと笑いペンを走らせた。
そこから校長が質問して私たちが答えるを何問か繰り返した。
好きな動物は?
好きなお菓子は?
好きなジュースは?
好きなゲームは?
好きなアニメは?
最近見たテレビは?
.
.
.
私たち自身ももう何の質問に何を答えたかもわからないほど質問された。
校長のノートも半分まで捲られている。
蘭は早々に飽きたのか、"わかんねぇ"とか、"さぁ"とか答えるため大半を竜胆が答えていた。
チラッと校長が腕時計を見る。
「あー、もうお昼だね
楽しい時間は過ぎるのが早い
次が最後の質問にしよう
好きな色は?」
「「『紫』」」
校長室から出る時に気をつけて帰るんだよ。と言う校長を3人で振り返る。
『なんで帰ると思ったの?
教室に行くかもしれないじゃない』
「少し君たちを理解できた証拠かな?
またおいで次はお菓子とジュースを用意しておこう」
「次はもうねぇよ」
蘭のその言葉にもニッコリと笑い手を振る校長をチラッと見て職員室を出た。
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わかな(プロフ) - こんばんわ。主様の小説が大好きで見るのは3度目です😂これからまた1から見ます👀夢主ちゃんの感じも主様が作るストーリーも素敵でどタイプです。まだまだ続いて欲しいと思っています。これからも何度でも楽しみに読みますねᵔᢦᵔ (4月3日 0時) (レス) @page1 id: 4fe231f56f (このIDを非表示/違反報告)
まぅ - 玉兎さん» そうなんですね…そういう方が少なくなってくれると嬉しいです…。。 (9月8日 9時) (レス) id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - まぅさん» コメントありがとうございます!プリ小説は使ったことがないですが、他の方からもそのような話をお伺いしたことはあります💦発見された読者の方も私もあまり気分の良いものではありませんが、気に留めてくださりありがとうございます☺️ (8月31日 11時) (レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
まぅ - コメント失礼します。こんな素敵な作品に出会えて感激です!私はプリ小説の方で活動をしているのですが、玉兎さんの作品と似通っているものがありました。プリ小説の方でも活動されていますか? (8月26日 10時) (レス) id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - とぅにさん» コメントありがとうございます✨ そう言っていただけて心底嬉しいです🥰 こちらこそ最後まで読んでくださりありがとうございました!どうぞこれからもよろしくお願いします☺️ (8月9日 19時) (レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉兎 | 作成日時:2022年3月29日 20時