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「いや、ちびんねぇけど!?」


佐野が身を乗り出して言うが、どこ吹く風のワカは再び私の髪をサラサラと撫でた。



「六本木仕切るってことはつまり六本木のトップに立ってことだぞ?」


わかってるのか?とベンケーが言うがそんなことわかり切ってる。



『私たち強いから大丈夫』


「あのなA
トップに立つには強さだけじゃダメなんだよ」



座り直した佐野は机に肘をついて顎を乗せながら言う。



「そうだぞ〜
よく聞けA
真ちゃんは喧嘩がすごく弱い」


『だよね』



髪を撫でてた手をサラリと顎に滑らせて顔をワカの方に向けられる。
佐野に続いたワカの言葉に食い気味に相槌を打つと、待て待て!と佐野が声を張った。


「ワカの俺が弱い発言はまだ良いとしても
Aのだよね。はおかしいだろ!」


なんで俺が弱いの知ってんだよ!と言うが多分そう言うところだぞ。



『なんでそんな弱いのに総長なの?』


「喧嘩の強さが全てじゃねぇんだよ
要はココだ」


そう言って佐野は自分の胸を2回叩いた。


「そうそう、
真ちゃんが後ろにいると思うと何故かやる気出るんだよ
普段より強くなる
チームの団結力も上がる」



ワカの言葉に佐野はふふんと笑いソファーにふんぞり返った。




『それ背水の陣って言うんだよ』



その言葉にさっきとは違う沈黙が流れる。
今度の沈黙を破ったのは佐野。


「おま、なんで小5のガキがそんな言葉知ってんだよ!!
ワカ!お前もショック受けた顔すんな!」



納得しちゃった…。とワカの声にベンケーが1回頷く。



『ウケる』


「少しでも笑ってから言えよ」


はぁ〜とため息ついた佐野の横にある魚のおもちゃに手を伸ばして帰るね。と告げる。
ソファーの手前に座ってたワカに通してもらう。




『ごちそうさま
明日は学校休みだから校門にいても意味ないよ』



そう言いながら店を出る。
後ろからわかってるわ!と聞こえた佐野の声にフフと笑い夜の六本木に紛れていく。

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わかな(プロフ) - こんばんわ。主様の小説が大好きで見るのは3度目です😂これからまた1から見ます👀夢主ちゃんの感じも主様が作るストーリーも素敵でどタイプです。まだまだ続いて欲しいと思っています。これからも何度でも楽しみに読みますねᵔᢦᵔ (4月3日 0時) (レス) @page1 id: 4fe231f56f (このIDを非表示/違反報告)
まぅ - 玉兎さん» そうなんですね…そういう方が少なくなってくれると嬉しいです…。。 (9月8日 9時) (レス) id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - まぅさん» コメントありがとうございます!プリ小説は使ったことがないですが、他の方からもそのような話をお伺いしたことはあります💦発見された読者の方も私もあまり気分の良いものではありませんが、気に留めてくださりありがとうございます☺️ (8月31日 11時) (レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
まぅ - コメント失礼します。こんな素敵な作品に出会えて感激です!私はプリ小説の方で活動をしているのですが、玉兎さんの作品と似通っているものがありました。プリ小説の方でも活動されていますか? (8月26日 10時) (レス) id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - とぅにさん» コメントありがとうございます✨ そう言っていただけて心底嬉しいです🥰 こちらこそ最後まで読んでくださりありがとうございました!どうぞこれからもよろしくお願いします☺️ (8月9日 19時) (レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玉兎 | 作成日時:2022年3月29日 20時

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