わんうぃーく！ ページ33
「え？あのォ…？Aさん？？何言ってんすか？」
「野球とはなんじゃ？」
「そもそも野球は18人でやるもんだぞ」
「うるさああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁい！！！！！！！」
「お前がうるさい」
べしっと頭を叩かれてしまったがそんなこと気にしない。
「今からこの玉を力いっぱいうちまくるので、いっぱい拾って下さい」
「どこのバッティングセンター？」
戯言が聞こえたが気にしないことにした。
「行きますよ！！」
うおおおおお！！！！！と雄叫びをあげながら球を打ちまくる私はさながらピッチングマシン(多分違う)
明日もこれからもずっと先輩の生き方が変わることはきっと無い。
彼はそういう頑固な人だ。
だからせめて、少しでもこの時間を過ごせるように
・
すっかり夜は訪れる。星空の下、街灯によって定期的に白い光に照らされながら歩く。
疲れた疲れたと腕を頭の後ろで組み、踵を擦りながら歩く金髪と、それにちょっかいをかけるように彼の腕にブラ下がろうとする桃色。
その後ろ姿を見てやれやれというふうに呆れた笑いをこぼしている先輩を見ると思わず私も笑ってしまいそうになった
いけないと思わず上を見上げると、綺麗な三日月が見えたので暫くぼーっと眺めていた
「A」
ふと名前を呼ばれたので、右を向くと早川先輩が口角が仄かに上がっていて、目も心做しか細められている。また微笑んでいる…………………のか？？？あの早川先輩が？？？？？？？1日で2回も？？
「お前今俺に対して失礼な事考えてたな？」
「考えてないどす」
「おい」
はははと横で笑うので少しムカついて、スーツごと腕をつねってやったが、どうかしたか？と心配されたのでさらにムカついた(ムカつく)
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作者名：空村 | 作成日時：2021年3月16日 21時
