いつかめ! ページ18
足で扉を蹴破り銃を構えた。
視界に飛び込んできた空は澄み切っていて雲ひとつない晴天だった。
何処までも果てしなく続く青は、コンクリートの灰色や周りに建っている別のビルなどとは相対していて、少し変な気がした
歩き続け屋上の真ん中で、銃を構え続けながら何処に悪魔が隠れているのか探っていると誰かが囁いた
「お姉さん、こんな所で1人は危ないよ?」
急いで振り向くとそこに居たのはアキくんとそう変わらない背丈の金色の髪をした少年だった。
「ショタ……?」
あまりにも驚き、思わず呟いた。
「可愛いだろう?この姿は」
ニコリと微笑み私に対して見て見てと言わんばかりにクルクルまわる目の前の少年を見て私は確信した
「貴方が時の悪魔だよね?」
「ひと目見て僕の正体がわかったのかい?」
この空と同じ青い瞳を大きくさせてわざとらしく驚くと今回はもっと強そうだね。と眉を八の字にさせてまた笑った。
「どうしてわかったのかな?」
「言う訳ないよ」
「そう、それは残念だね」
今度は悲しそうに目を瞑り、俯いた。
コロコロと表情を変えていく彼に私はずっと睨み続けた
この場に彼一人しかいない時点でお察しの事だが、一つ予想した事がある。
彼の頭目掛けて1発弾を撃ち込んでやった。
「突然撃ってくるなんて酷いじゃないか、」
「貴方が先輩を元に戻したら優しくしてあげるよ」
「先輩?」
はて?と右手の人差し指を頭につけ思い出そうとする彼に少し苛立ち、思わず舌打ちが出てしまう
「まあまあ、そう怒らないでよ!あいつだろう?僕に重い一撃を食らわしたあのピアスをつけた男」
「当たり。早くその人の時間を返して。」
「そう言われてもねえ」
「僕だってそいつに殺されかけたからやり返しただけだよ?それなのに元に戻したらまたあの男が殺しに来るかもしれないだろ?」
「それはないよ」
「どうしてだい?」
「私が貴方を殺すからだよ」
もう一度引き金に指を当てる。目の前の悪魔は今までのどの表情にも例えられない凶悪な笑みを浮かべて言った
「それは楽しみだね」
引き金を引き1発の弾丸が相手を貫こうとする。しかしそれよりも速く私から抜け出した金色は少し離れたところに立っている。
「少しの間なら遊んであげるよ」
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作者名:空村 | 作成日時:2021年3月16日 21時