よっかめ！ ページ15
｢なんで嫌なのか教えてくれたら止めてあげてもいいよ？｣
｢うっ｣
｢んんー？｣
相変わらずこちらを睨んでくる先輩を挑発するように腕を組んで片眉をあげて見下ろした
｢…………恥ずかしいからだよ……｣
｢ん？なんて言ったの？｣
｢恥ずかしいから嫌だって言ってるだろ！！！｣
｢隙あり！！！｣
｢！！！！！！！｣
本当は最初から聞こえていたがチャンスかもと思い聞き返すと顔を真っ赤にして怒られた………
怒ってても可愛いねちゅきよ
けどその瞬間大きく口が開いたのを私はみのがさなかった。
持ち前の瞬発力で先輩の口の中へパンケーキをほおりこみ、私はまた何事も無かったかのように自分の分を食べ始めた。
彼は驚きながらも口をもぐもぐと動かしている。
｢どう？おいし？｣
｢うまい……｣
｢だよね！｣
可愛くて思わず先輩の頭を撫でていたら一部始終見ていたのか、女の子の店員さんがこちらを向きながら笑っていた。デンジくんと同じくらいの歳だろうか、前髪は長いなと感じたが可愛らしくて首元のチョーカーもよく似合っていた。
少し恥ずかしくなってパンケーキをいそいそと食べ始めたら、私が急に静かになった事に疑問に思ったのか先輩がこちらをずっと眺めてくる。
やめろ！やめてくれ！みんなしてもう私を見ないでくれ！！と頭の中で叫びながら未だにそれを口で運ぶ動作を続けていると彼は私に聞いてきた。
｢おい、なんか顔真っ赤だぞ？｣
や め て く れ
今思えば少年にあーんは不味かったかもしれない。しかも嫌がってた。うわこれやっちまったか？110番ものか？
｢ねえアキくん｣
｢後で防犯ブザー買って帰ろっか……｣
｢なんで？｣
｢不審者(私)用に決まってるでしょ｣
｢は？？(何言ってんだこいつ)｣
・
無事にパンケーキを食べ終え、先程のアルバイトらしき女の子にお会計をしてもらい家に帰る前に問答無用で防犯ブザーを買って彼に託した。
｢お守りみたいに大事に大事に持っててね……｣
｢わ、わかったから、ちょっと近い！｣
｢ｱｯｽﾐﾏｾﾝ｣
早速使われると流石にくるものがあるので急いで離れた。
家に帰り二人で買ったばかりのゲームをして遊んでいると、今日は早めに終わったのかまだ日も落ちてないうちに2人は帰ってきた。
｢A！｣
｢なあに？パワーちゃん｣
｢貴様、明日任務が入ってるぞ！｣
ん？？？？？？？？？？
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作者名：空村 | 作成日時：2021年3月16日 21時
