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〜翠side〜
結婚前に友人と旅行に行ってきます、両親と昴さんにはそう伝えてひとり韓国に来た。
彼の一人娘であるAさんに会う為に。
大学で韓国語は取っていたけれど、まさかこんなタイミングで役に立つ日が来るなんて思いもしなかった。
翠「あ、
プレディスエンターテイメントの社屋って…」
初めての韓国一人旅になんだかドキドキしてきた
…いかん、当初の目的はそうじゃないでしょう貴方
翠「あの、こちらに七森Aさんという方はいらっしゃいますでしょうか?」
事務所の扉をノックして中へ入り、受付の女性にそう尋ねた。
『…おりますが、どちら様でしょうか?』
翠「あ、私彼女の…」
…あれ?私って彼女の、何?
私今「彼女の母です」なんて口走ろうとした?
あまりの厚かましさに呆れて言葉もでなかった
翠「…姉です、彼女の」
まあそんな口から出まかせが怪しまれないわけもなく。
そうこうしていたら副社長さんに外へと摘み出されてしまった。
翠「ですから私は…」
困った事になった、私は生憎彼女と会った事もなければ連絡先も知らない。
このままでは彼女に会えないまま日本に帰る事になるやもしれない、そう焦り始めた時
「副社長すみません、
彼女私の身内です」
翠「…Aさん?」
私の娘になるであろう1人の女の子、いや、よく知っている顔をした女性が飛び出してきた。
ああ、泉水さん、
貴方は本当にこんな天使をこの世にのこして1人先に逝ってしまったのですね
「じゃあミンギュ、またあとでね」
ミンギュ「あ、うん、」
ミンギュくんと呼ばれていた長身の彼にも会釈をして私は彼女の後を追った。
翠「…えっと、」
「翠さんですよね?」
翠「!うん、よく分かったね、」
「写真で見るよりもずっと綺麗な人だったからビックリしちゃった」
翠「…そ、それはこっちの台詞だよ、Aちゃん、」
ありがとうございます、と前を歩くAちゃんはとてもスラリとしていて"ああ、そうか、この子はアイドルなんだった"と痛感させられた
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作者名:en. | 作成日時:2024年2月29日 22時