*†*・*†赤鼻トナカイと最低サンタ【Jun&Sho】†*・*†* (ページ22)

今日:15 hit、昨日:14 hit、合計:198,670 hit

２２ページ22

・

・

力いっぱい投げつけられた、固くて小さいもの

・

・

小さな包装に小分けされていたそれは、飴で。

いくつもの飴を俺にぶつけた潤は、それっきり俺に背中を向けて

さっさとプレゼント配りに出かけてしまった。

・

・

翔「……なんだ、これ…」

・

・

ため息をついて、散らばった飴を一つ一つ拾って

その途中で……あることに気付いた。

・

・

翔「………」

・

・

黒のペンで、それこそちっこい包装の一つずつに

書かれていたのはメッセージ

・

・

‘翔くんの風邪が治りますように’

‘翔くんがサンタにやりがいを感じてくれますように’

‘翔くんと一緒にクリスマスを過ごせますように’

・

・

‘翔くんとこれからも仲良くいられますように’

・

・

翔「………ったく……いくつ歳を取ってもまだまだ子供だな……」

・

・

なんとなく口に放り込んだ飴は、強烈な薄荷の味がして

スースーして、目に染みる。

………あいつ、わざと俺が嫌いなのを選んだんだろうか。

・

・

飴を全部拾ってから、それをどこかに仕舞おうと思って

入れ物になりそうなものを探していた。

・

・

翔「………あ」

・

・

そしたら、ソファの後ろ

転がっている缶を見つけて

それは、普段から潤が‘宝箱’と呼んで大切にしているものだった。