*†*・*†赤鼻トナカイと最低サンタ【Jun&Sho】†*・*†* (ページ20)

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潤「うっ…うううっ……ぐずっ…」

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冬の朝はとても寒いものです。僕は涙が止まりません。

もう、朝が来るのです。

まだ、Aちゃんのところにはプレゼントが届いていないのに。

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僕は、情けないトナカイです。

一人でできるなんて強がりながら、この体たらくです。

幼い少女の小さな願い事ひとつ叶えられないなんて、最悪です。

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どんなに探しても、どんなに目を凝らしても

どこにもプレゼントを見つけることはできませんでした。

タイムリミットが迫っています。

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僕は……涙を拭いて、Aちゃんの家に戻りました。

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うわあああん、と

女の子の泣いている声が一歩進むごとに大きくなっていきます。

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「なんで、ウサギさんいないのっ、ええーん！ええーん！」

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泣かしてしまいました。こんなことになるなんて、僕も泣きたくなります。

大人のおかしたミスは、子供から夢を奪っていきます。

Aちゃんは……もう、サンタクロースを信じなくなるでしょう。

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平和を訴える大人が、戦争を止めません。

皆の生活のためだと集めたお金を、自分のものにしてしまう悪い大人がいます。

いじめはダメだと言うくせに、少数民族は迫害されていきます。

相互理解を教えながら、他の国の文化をけなすことがよくあります。

話し合いが大事なんだと言いながら、会談は拒否されます。

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そんな嘘ばかりの現実を突きつけられて、信じられなくなります。

子供たちは、大人になっていきます。

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ごめんね、ごめんね。Aちゃん

プレゼントを、届けてあげられなくて本当にごめんなさいっ……。

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