*†*・*†赤鼻トナカイと最低サンタ【Jun&Sho】†*・*†* (ページ14)

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『君が、さっき電話をくれた子だね』

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白いヒゲを生やして、いかにもな赤い衣装に身を包んだそのじいさんは

面接にやって来た俺を見て、人の良さそうな笑顔を見せた。

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『短期バイトとしては１回きり。軽い気分で申し込んだのなら、それがいいと思うよ。

こう見えて結構ハードな仕事だからね』

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そう言ったじいさんは、もう俺をその年のサンタとして雇うことは決定していたみたいだった。

10年前の、クリスマスの話。

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『まずはお試しで、１回だけ。つまりは１年だけ、やってみてくれたらいい。

向いていないと思ったら来年はこのバイトに応募しないことだよ。

その場合、私は君じゃない子を、また見つけて頑張ってもらうから』

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なんとなく楽そうだなって。時給も高かったし。それにサンタクロースなんて珍しい職種、ちょっと興味があったというかさ

要は、そこまでの情熱とか使命感があったわけじゃなかった。

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ただ――――。

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『やだよっ！！！やだやだやだやだっ！！！』

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手渡された衣装。それに着替えて、準備ができましたって……そう声を掛けようとした俺は、思わず言葉を飲み込んだ。