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「あれ、夏の大三角形やろ」
「おにいさん、もっとバカそうやのに知ってんねや」
「めっちゃ俺のことバカにするやん」
結局あれから水鉄砲で打ち合いをして、近くにあった商店でアイスを買って、そんなこんなで日も暮れていい時間帯
彼のことはそれなりに知った、
もともとここに住んでいたけど親の事情で引っ越したとか
成績はそこそこだったとか
過去の彼の情報は教えて貰えた
名前と今の自分は教えてくれなかったけど
「俺さ、逃げ出してきたんや。現実とか目の前にある景色から。」
気持ちのいい夜風のせいか、雲ひとつない空に浮かぶ星たちのせいか、
喋るはずでなかったことがどんどんとこぼれ落ちてくる
こんな事を名前も知らない人に教えるなんて
「いいこいいこ」
ふと頭に乗せられた優しい感触を感じる
「そんなことしてくれるん?君は。
俺が星座ゆえることより驚きやわ」
「ふふっ、見た目によらず俺は優男なんやで」
そんなこと言うわりにはやっぱり女の人に見えて、月光に照らされたところはとてもきらきらしてきれいだった
俺は生まれてきてからこんなにきれいな人を見たことがない。
「俺、君ならいける気がする」
いつの間にか口に出していた言葉
俺ならわけも分からないこんな男にこんなこと言われたら走り出して逃げる、冗談だったとしても
「ごめん、ごめん、聞かんかったことにして」
彼が少しでも怖がらないようにと思い少し離れて向き合う形をつくる
「冗談はやめてや」
会ってから初めての暗くて低い声だった
ずいっと寄ってくるのが下を向けたままでも分かって目をぎゅっとつぶる
「嘘とか冗談とか俺嫌いやから」
顎をもたれ上を向かされてビンタでもされるのかなと思いさっきよりもぎゅっと目をつぶる
ふにっとした感触を感じた
さっき俺が彼にしようとしていた所に
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菻(プロフ) - つきみさん» ありがとうございます。そう言っていただけてありがたいです!期待に逸れるよう書かせてもらいます! (2018年11月10日 15時) (レス) id: 35348df3b1 (このIDを非表示/違反報告)
つきみ - 初めまして。 お話読ませていただきました! 愛されている黄さんすごく可愛くて素敵でした。ハロウィンの続き、楽しみにしています。 (2018年11月9日 22時) (レス) id: 90baa9fa42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菻 | 作成日時:2018年7月10日 18時