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7.Happy Valentine! ページ7

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「翔くんが作ったんだよ?俺のために!あの翔くんが!」

いや、そこそんなに強調しなくても…。

俺だってね、やる時はやるよ?
わりとできる子よ?
他のメンバーにも自慢したいじゃん?

「あっ!」

「え?なんかあった?」

松本が深刻な顔で立ち上がる。
え、なんか不都合でも…。

「写真撮るの忘れた…。」

へにゃへにゃと椅子に座り込む姿は、まるで昔の松本みたいで。

記録魔としては気持ちはわかるけど、こんな地味なケーキ撮っておいたってしょうがないしさ。

「翔くんが俺のために…。」

「あ〜わかったわかった、もうそのくだりいいから。」

でもこんなにもらってもお前困るだろ?

「とりあえず食べられる分だけ持ってけよ。」

「やだ。全部俺のって言ってるじゃん!」

駄々っ子キタコレ…。
まぁこうなると手に負えないのは昔からだし。
実際、松本のために作ったのは間違いないし。

「ハイハイ、お前にやったんだから、全部食べてくださいよ。」

「小分けにして冷凍すれば大丈夫!しばらくは冷蔵でも持つし!」

写真撮りまくって、自分で切り分けてもう一切れ食べて満足そうに笑う松本は、想像していた以上に喜んでくれて。
ちょっと照れるけど、そこまでしてもらえるなんて、こちらとしてもとても嬉しいしやるだけやってよかったなって思う。

「ホントにありがとう…なんかすごく嬉しい。」

「俺もさ、いつもお前にご飯作ってもらってさ、いろいろ考えてくれてるんだなって実感した。ありがとな。」

え、ちょ…こっちくんな!コラ!
逃げようとしたところを思いっきり抱きつかれて「ぐぇ」と可愛くない声が漏れた。

「嬉しい…俺に愛されてるってことがわかったでしょ?俺もね、すげー愛されてるってわかった。」

…いや、まぁ、うん。
そうだよ。

「ね…もっとさ、すっごいもの…欲しい。」

あ、コイツ…ろくでもないこと考えてんな?

テーブルに置いていた手に、大きな手が重ねられる。
相変わらず細くて綺麗な指だ。

手を持ち上げて、指先をカリッと齧られた。

「絶対ずーっと大事にするから、ね?」

バカだな…お前。
もう自分の手の中にあるもんばっか欲しがって。


いいぜ。


ソワソワして待ってたお前にご褒美やるよ。

こっちは残さず食べろよな。



Happy Valentine!


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作者名:ロッシュ | 作成日時:2019年2月14日 15時

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