6.しょうさん照れる ページ6
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「松本?もういいよ?」
寝室を覗くと松本はすっかり部屋着に着替えてた。
「なんだろ?俺、すっごい期待しちゃってるんだけど。」
え、そう言われると…動揺。
あんなんでホントに喜んでもらえんのかな。
「えっと…お前みたいにすごいバレンタインとかできないしさ。でも、ん〜いろいろ考えて、こうなり…まし、た。」
なんかどんどん恥ずかしくなってきて、ダイニングに着く頃には俯きまくり…。
で、隣では息を飲む、感じ?
「これ、まさか…翔くんが?」
「…初めて作ってみた。美味いかどうかはよくわかんねーケド。」
顔見るのもなんか怖くて、デキャンタからワインを注いで。
飾り気のないケーキを慎重に切り分けて、皿に取り分ける。
フォークを添えて、まだ呆然と立ち尽くしている松本の前に置いた。
「その…召し上が、れ?」
なんか…まつもっさん?
座りながらプルプル震えてるけど、そんなに食べるの怖いのか?
わりとちゃんと出来てると思うんだけど。
フォークを持って、すんごい大事そうにケーキの乗ってる皿を見て、ゆっくりと一口。
「…うまい…。」
…。
……。
マジで?
自分もフォークを手にとって、一口。
「…あ。」
うん、美味い。
チーズは濃厚なのに軽い感じで、クリーム感もしっかり。
でもあんまり甘くなくて、白ワインの香りが爽やかで、土台のうっすらとしょっぱいのもいいアクセントになってる。
「すごく美味しいよ!翔くん!」
ものすごいキラキラした笑顔で、眩しいったら…。
でも、喜んでもらえたみたいでよかった〜。
パクパクとあっという間に切り分けた分を完食した松本は、ホントにご機嫌で白ワインを一口。
「まさか翔くんに手作りのお菓子をご馳走してもらえるなんて…もう去年の俺に感謝したいくらい!」
「まぁ…待つ潤さんがホントに待ってらしたようなので…。」
「ちょっとそこからかわないでよ〜。」
少しはにかんで笑うのも可愛いったら。
「まだ食べる?」
「ん〜なんかもったいないな。これ、残り俺がもらっていいの?」
いや、お前…ワンホールだよ?
どうするつもりなんだよ?
「余ったのはせっかくだから3人にもあげようかと…」
「ダメ!」
な、なんだよ!
ちょーカブリ気味に否定すんなよ。
「これ全部欲しい!俺のだよね?」
え〜?
さすがに全部食ったらヤバイと思うんだけど。
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作者名:ロッシュ | 作成日時:2019年2月14日 15時