１．しょうさんの決意 ページ1
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空がだんだんとぼんやり霞んでくる季節。
東京にはどうやら週末に久しぶりに雪が降るらしい。
暖かいと思っていたロスは思ってたより寒くて、持って行ったジャケットが意外にも活躍した。
諸々取材や仕事は入ってたけどのんびりとできた海外での時間も終わって、帰国して日常に戻りつつある。
そんな中。
細かく書かれたメモが俺の手の中にはある。
そもそも、去年のバレンタイン…松本は大いに盛り上がって、バカ美味いチョコやら高級ブランドに特注したキーホルダーやら、某ホテルのスイートやら…。
これお返しどうすんの…とハッとした俺に、
「ホワイトデーのお返しはいいから、来年のバレンタインを一緒に過ごしてくれる？」
とそりゃ可愛く微笑んだ。
ホワイトデーもそれなりにお返しはしたけど、この時期が近付くにつれてその約束が重くのしかかる。
で、だ。
いろいろ…そりゃあいろいろ考えた結果、至った結論が…『手作り』。
今、なんて無茶な！…とか思ったろ。
そう、料理さえもできないのにお菓子作りとかアホですか⁈…と。
俺もそう思う。心の底から。
だからこそ。
これってかなりレアなことだからさ、松本も喜んでくれるかな…と思ったり。
まぁ、ドン引かれる可能性もあるけども。
その前に食べられるもの…作れるんだろうか、俺。
手の中には、それなりに有名なレストランのパティシエが書いてくれたレシピ。
友人の伝手で、超初心者でもできる簡単だけど間違いなく美味しいって言うのをね、書いてもらったの。
レシピどおりにやれば絶対に失敗しないってやつ。
とりあえず、全部の材料をマネージャーに買ってきてもらったから、あとは頑張るしかない。
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作者名：ロッシュ
| 作成日時：2019年2月14日 15時
