素直じゃない (ページ21)

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ジジジ…と暑い中に鳴く

短い命の限り自分という存在を残して
死んでゆく蝉

そんな蝉の鳴き声まで鬱陶しく感じてしまうこの暑さに酔ってしまいそう

「あ…つい」

なんでサークルの部室はエアコンという文明の機器がないのだろう

「なーー公大」
「どしたん？」

暑さで溶けてしまいそうな昴が棒読みで話しかけてきた

「どーでもええこと言うでー」
「うん」

「……アイス食べたい」
「…ほんまにどうでもええな……」

大学の近くにあるコンビニは徒歩3分

この3分の距離でさえ行きたくなくなる

だけど
アイスは食べたい

昴の誘惑に負けた俺はアイスを求めて
外へ繰り出した

しかし

あつい暑いアツイ

アイスはこの暑い中で食べようとするとすぐに溶けてしまう

その前に俺が溶けそうやわ

「やっとやわ着いた」

「ほんま…に…………」

二人ともこの距離で顔は赤く喉はカラカラに乾いてしまっていた

コンビニでアイスを購入し俺達は少し涼んでまた、部室へと戻った

こんな日々を過ごしている

けれど
学祭の夜、Aちゃんと出会って

自分が守ってあげないといけないのではないか、
という思いは勿論だけどどこかで

俺のモノにしたいというか
取られたくないというか

うまく言い表せないけど

嫉妬

しているんだと思う