素直じゃない (ページ12)

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え？今なんて言った……？

「やから家やって」

｢えなんで考えてる事わかったんですか｣
｢…声出てたで｣

｢あ～……大丈夫、そういうのじゃないから｣
と何かを察したかのように言った

｢そういうのじゃないんですね｣
｢うん違う｣

｢で、家着いたんやけど｣

｢…入らんの？｣
玄関の前で竦む私を見て言う

｢入り｣

手を引かれ彼の腕の中に収まった

「ちょ…」

「牛丼、冷めるで？」

｢わかりました…から…離して…｣
｢嫌や｣

「え…？」

抱きしめながらどこかなにかに心配で
消えそうででもあたたかい声が聞こえてきた

｢あの男は多分これから君の事付きまとうやろうし、君にとって良くない噂とか流すと思う｣

｢知らんけど…なんかそんなんやりそうやなあって思った…あぁいう人って人脈広いやろ？｣

｢うん…確かに常に誰かは周りにいる人…｣

「ほかに付き合いたい人とかおらんの？」
｢居ないかな…｣

｢じゃあ魔除けは欲しいと思う？｣

｢魔除け、？｣

｢……例えば…俺みたいな｣

抱きしめていた腕が彼のフードを外した

目の前に広がったのは肩の下まである赤い髪だった。