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2話 ページ2

Aはジッとただ動かずに座っているのが苦手だ。

走りたい、運動がしたい、だなんて渇望があるわけでもなくただただ微動だにしない己の体がむず痒い。

教科書の文章なんてもう大概読み尽くしたものばかりで退屈な国語の授業、頬杖をついて窓の外をながめようにも目に入るのは生徒の頭ばかりでどうしてせめて窓際の席になれなかったのかと己のくじ運を恨んだ

かたりと椅子を引けば周囲の頭がゆるく動いてAの方を振り返る。Aの担任は事なかれ主義の中年男。学級崩壊気味のクラスを放置しているような其奴は生徒がひとこと保健室に行かせろと言えば特に抵抗することも無く行かせてくれる。


Aは図書室へ向かった


保健室はつんと鼻につくカテーテルの匂い、薬剤の空気が立ち込めているから嫌いだ。Aは人一倍そういった事象に敏感なたちだった。体調が悪くて立ち寄るというのにそこがさらに気分を不快にしてくる空間だ、なんて本末転倒じゃあないか──とAはいつも思う。


だからといって立ち入り禁止の屋上に入り込めるほどの度胸も、Aには無かった。その妥協案が、図書室。

古びた本の匂いの程よく差し込む陽の光はなかなか心地よい空間を演出する。読書は嫌いではないし、息苦しいこの毎日に、すこしくらい息抜きの時間があっても構わないではないか。

──でも確かに、この日この時間図書室に向かったのは、どう考えても悪手だったと言わざるを得ないだろう。


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桜華(プロフ) - こんにちは!初コメント失礼致します!神様モチーフの素敵な作品、これからどんなことが待っているのかワクワクが止まりません!無理のないよう、更新頑張ってください!青,い,鳥の方、フォロリク失礼致します。 (2022年7月3日 15時) (レス) @page8 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kaniska | 作成日時:2022年7月1日 17時

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