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1話 ページ1

夏野Aはカミサマを信じていなかった


人間の心は弱い。そして弱さゆえの拠り所を求める。寄りかかれる場所、自らの存在を証してくれるモノを求める。その最たるものが神であるとAは幼いながらに理解していた。

そして幸か不幸か、カミサマを信じるひとを 愚かだと切り捨てられる心の強さを持っていた

Aは聡明な子供だ。見聞はあらゆる方向に深く、周囲の子らを突き放せるほどの知識を、貪欲に吸収していく。

齢九にしてあらゆることを知っていたAは、自分が早熟であることも、知っていた。

──然しそれがときに弱さとなりうることは、知らなかった


「……、お父さんと、おかあさんの」


心做しか掠れた声が己の耳朶を打つ


「なかが、よくなりますように」


ぱんッ、と乾いた音をたてて両掌をぴちりとあわせる。初夏の暑さに汗が滲んで、ちゅく、といやな音が鳴った
ぎうとかたく瞑った目の隙間から、無理矢理に陽が押し入ろうとする。

おもえばその日が、全ての元凶だったのだ。
──あの狂った夏の、はじまりのひ


2話→



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桜華(プロフ) - こんにちは!初コメント失礼致します!神様モチーフの素敵な作品、これからどんなことが待っているのかワクワクが止まりません!無理のないよう、更新頑張ってください!青,い,鳥の方、フォロリク失礼致します。 (2022年7月3日 15時) (レス) @page8 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kaniska | 作成日時:2022年7月1日 17時

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