ねえ、ジュノン。

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ジュノンの瞳から目を逸らせないでいると、ドアが開く音がして我に返る。








「あらー？ジュノンも名前ちゃんに見蕩れてたの？」




「…セリナ、今日はもう帰らせてもらう」




「え？…うわ、」









ジュノンにふわりと持ち上げられた。




所謂、お姫様抱っこ。




こんなに細い身体で人を抱えてるのに、顔色ひとつ変えないジュノン。





そして、やっぱりセリナさんと同じ匂いがした。








「え〜、コーヒーいれたのに」




「じ、ジュノン」




「お前のせいでまだ冷や汗止まらないんだよ…とりあえず今日は帰る。金、置いとくから」




「んもう、悪かったわよ…名前ちゃんごめんね。また来て、待ってるわ」




「あ、はい！ありがとうございました」








ジュノンが私を持ち上げたまま、セリナさんに背を向ける。




後ろにいた組の人が、セリナさんに今日のお代を渡していた。





セリナさんは最後にこっそりと私にウインクをした。









「ジュノン、私歩ける」




「はい」




「はいじゃなくて…」









ジュノンに抱えられたままの私は、車の停めてあるところまで心臓がドキドキしてたまらなかった。






下から見るジュノンの顔は、やっぱり中性的で綺麗だった。

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