ねえ、ジュノン。

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「綺麗」




「…でしょ？」




「綺麗です。刺青も、お嬢も」




「え？」




「着物、すごい似合ってます」








思わずジュノンを見る。




とろんとして、優しい瞳が私を捉える。




またドキドキしてしまって、思わず目を逸らした。








「…ジュノンが素直に褒めるなんて珍しい〜！舜斗もレオもビックリじゃない？」




「…」




「…さ、さっきね、セリナさんが家まで送ってあげるって言ってくれたから。その、ジュノン達先帰ってていいよ、」




「嫌です、俺だけでも待ちます」




「え？」









ジュノンはまた私を抱き寄せた。




優しく、優しく。









「…絶対護る」








また耳元で声が響く。







『名前ちゃんを護る事に誇りを持ってるわ。決してやらされている訳じゃ無い。ジュノン自らが望んでやっている事』







さっき言われたセリナさんの言葉が頭をよぎった。








「ねえ、ジュノン。」




「はい」




「いやいやじゃない？」




「？」




「若頭っていうおいしい役から下ろされたくないから？自分のために私の事護ってる？」




「…は？」




「私を護るっていうのは上辺だけ？見栄えがいいからってだけ？」







ジュノンは私から身体を離す。



先程とは違う力強い眼差しに、思わず下を向いた。








「貴方を護れるなら、例え敵がシュントでもレオでも殺します」




「…！」





「俺は本気です。周りからの評価なんて気にしない」




「お嬢の護衛を続けるなら若頭をやめろと言われたら辞めます」








ジュノンの態度は、嘘をついているように見えなかった。

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