検索窓
今日:18 hit、昨日:14 hit、合計:21,579 hit

ページ14








「……嬢、お嬢」







誰かが私を呼ぶ声がする。




右手が温かい。







「ん、…」




「朝です、お嬢」








離れないで。




私の右手から逃げていく温かい何かを追いかけるように捕まえる。







「…お嬢」




「…うん、…」




「ジュノン、ジュノンです」








ジュノン……




まだ目覚めてない身体は言うことを聞かない。




ただ、右手にある温もりだけは手放したくなかった。








「……名前」




「うゎ、」









耳元で低い声が響いた。




驚いて目を開けると、真上にジュノンの綺麗な顔があった。








「え、なに、」




「お嬢が俺の手を離さないので」








そう言って私に馬乗りになったジュノンは、自分の左手で私の両手を拘束した。




正気に戻った私は焦って振りほどこうとした。









「ほら、解いてみてください」




「っ、」





「もし他の組の奴らに捕らえられたら、助けが来るまでは自分で自分を護らないといけないんですよ」









ジュノンの目が私をじっと見つめる。




怖い、と思った。







振りほどこうとしても、男の人の力には敵わない。








「…ひゃ」





「こうやって、身体を触られたらどうするんですか」








ジュノンが私の首元に顔を埋めてきた。




吐息が、声が、ダイレクトに全身に伝わる。








「…ほら、名前。強さを見せないと、簡単に殺られてしまいますよ」




「っ……!」








私だけがドキドキしている状況に腹が立った。





落ち着け自分、これは訓練だと思いなさい。




深く深く深呼吸をし、私もジュノンの瞳を真っ直ぐ見つめる。





ジュノンの右手が、私の頬に触れた。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
118人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

モルペコ - すごく面白くて、何度も読み返しています!ジュノン、かっこいいですね! (2022年11月6日 12時) (レス) @page32 id: 57b4fe7556 (このIDを非表示/違反報告)
はまみん(プロフ) - さくらこさん» さくらこさんありがとうございます♡作者自身推しはリョウキくんなのですが、こうゆう系を書くならジュノンくんが一番似合いそうだなって思って書いてます笑もっとキュンキュンしてってくださいね💖 (2022年3月11日 19時) (レス) @page27 id: ddb0c5a515 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - すごく面白いし、キュンキュンしてます! BE:FIRSTは推しが決まらなくて、メンバー全員大好きなのですが、この作品のおかげでジュノン推しになりそうです笑   これからも、更新楽しみにしてます✨ (2022年3月9日 16時) (レス) id: afb70c7110 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - こちらこそお返事ありがとうございます💓面白くて何度も読み返してます🔥更新が楽しみです! (2022年2月9日 21時) (レス) id: 0d99950192 (このIDを非表示/違反報告)
はまみん(プロフ) - みゆさん» みゆさんありがとうございます🥲是非これからも見てくれると嬉しいです♡ (2022年2月9日 20時) (レス) id: 1fce4fe5d0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はまみん | 作成日時:2022年2月6日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。