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°80 ページ8

_瞬間、私の全身を霞のようなものが迸っている様が見えた。

…湯気にも炎にも似ていて、それで生きているみたいだ。命を持ったように、うねりながら立ち昇る怪しげな光。
この不思議な物が、これが…。



「これが…オーラ…。」

「そうだ。それがオーラだ、お前の生命エネルギーだ!出し尽くすと数日は立てなくなるぞ。」


「イズナビ、どうするんだ!」

「目ぇ閉じて体の力を抜け!そしたらオーラが全身を循環していくイメージを持つんだ。少しずつゆっくり巡らせていって、最後は体を包みながら止まるように意識しろ!」



言われた通りに目を閉じ、集中力を高める。オーラが右肩、腕、肺、脚と流れていく様子を想像していると、ほんの少し落ち着いてきた。

ゆっくりと深呼吸しながら、その流れるイメージを遅くしていって…。10分ほどそうしていると、最初よりもそのイメージが鮮明になっていった。
更にオーラの流れをゆっくりにする。するとオーラは凪いだ海みたいにに穏やかになって、なんとか静かに揺蕩うだけになった。



「…よし。もう目を開けていいぞ。」



師匠が私達の集中力を削がないように、低く柔らかな声で言う。
目を開けようとすると、その動作はゆっくりとした物になった。…オーラを体に留めながらだと、小さな動作一つにもかなりの精神力が必要らしい。

もう一度深呼吸。…師匠は腕を組み、僅かに安心したような表情を浮かべていた。



「A。どんな気分だ?」

「水の中にいるのに、溺れていないような…。不思議な感じがする。」

「クラピカ、お前は?」

「こんな感覚は生まれて初めてだ。…だが、不快ではない。」



オーラを逃がさないよう、1音1音を確かめるみたいに、丁寧に伝える。

師匠は「俺の見立てに狂い無し、ってことか。」と呟くとずいっと人差し指を突き出した。



「今やった、オーラを体に留める技術を"(テン)"という。
そのイメージを持ち続けろ。一人前の念能力者は眠ってても纏が出来るぜ。」



"ま、数日はかかるだろうな"と続ける師匠。
サラッと言ったけど、眠っていてもこれを続けるには強靭な精神力が必要だろう。
自分はまだ、やっと出発点に立てたばっかりなんだと改めて実感させられる。…なんとしても念を物にしなくちゃ。

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おじいちゃんパンチ - このお話くっそ好きやばい気長に更新お待ちしております。 (3月8日 20時) (レス) id: 8e40b31507 (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - まだご不便な思いをされているかとは思いますが、寒さも厳しい季節ですのでどうかご自愛くださいませ。今後も更新を楽しみにお待ちしております…! (1月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - なぎテラスさん» ご返信も更新も本当にありがとうございます…!😭 ご親族様が無事に避難されましたこと、そしてなぎテラスさんのお気持ちや生活が少しでも落ち着いたとのことで、本当に安心致しました。→ (1月13日 16時) (レス) @page16 id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
なぎテラス(プロフ) - また日常に戻れるのがいつになるかは分かりませんが、一日一日を大切に過ごしながら、空いた時間があったらこちらの作品も進めていこうと思っております。温故知新さんのコメント、本当に励みになりました!重ねてお礼申し上げます。 (1月12日 19時) (レス) id: 489c1c6afd (このIDを非表示/違反報告)
なぎテラス(プロフ) - 温故知新さん» 返信遅くなってしまって申し訳ありません。温かいお言葉とお気遣い、本当にありがとうございます。心の底から嬉しいです…!今日親族が都市部へ避難出来ましたので、気持ちも忙しさも以前より落ち着きました。 (1月12日 19時) (レス) id: 489c1c6afd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎテラス | 作成日時:2023年1月30日 11時

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