°８４ ページ12
「…っ、一旦練解きます…！」
目の前に座っている師匠にそう伝えてから、オーラを通常通りに戻す。瞬間、ぐらっとした強い眩暈に襲われて、私はその場に倒れ込んだ。
夕暮れの日が差し込んで、草木を橙に彩っている。そういえば、昔にヒソカがこんな時刻を"黄昏"というのだと教えてくれたっけ。
そんなことを頭の隅で思い出しながら、肩で呼吸をする。…何度練をやってもオーラが乱れ、私は纏より先に進めないのだった。
「やっぱりオーラが揺れるんです。どうしてかな…。」
「馬鹿野郎、普通最初はそんなもんだよ。… ま、才能差で焦る気持ちは分からなくもないけどな。でも、気長にやるのが一番だぜ。」
クラピカとの上達速度の差に悶々としていることさえも見透かされて、「ぐ…」と変梃な声が出た。
クラピカはどんどん念を自分のものにしつつあるのに、自分だけが遅れているというのは少し…いや、大分焦ってしまう。
師匠の言ってくれることもすごく分かるんだけど、やっぱりなんだか落ち着かないような気持ちだ。
「気休めぐらいで聞けば良いけどな、俺はお前も素質はある方だと思うぜ？
実際に外法で精孔が開いたろ。ありゃ普通は念に慣れてなきゃ危ねぇよ。」
「念に、慣れてる…。」
師匠の言葉を聞きながら、ぽつりと単語を復唱する。言い終わってから私は引っかかるものを感じて、静かに首を傾げた。
…もしかするとあの組織のリーダーやヒソカは、念能力者だったのかもしれない。
もしそうだったなら、ヒソカがトランプに仕込んだあのマジックも説明がつくんじゃないだろうか。
「首なんか傾げて、どうした？」
「今考えたら、周りに念能力者っぽい人が結構居た気がして…。クラピカはともかく、私は多分そのせいでオーラ慣れしてたのかもしれません。」
成程な、と師匠が相槌を打つ。クラピカは天性の才能だと思うけれど、私は周りの環境によるものだろう。
そう思うとクラピカとの差がよりくっきりしてきた様に感じられて、余計に焦る気持ちも増すのだった。
「さ、休憩終わりだ。A、気持ちを乱せばオーラも揺れるぞ。
…次は練をもっと形にしてみろ。まずは五十回だ！」
「はい、宜しくお願いします！」
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おじいちゃんパンチ - このお話くっそ好きやばい気長に更新お待ちしております。 (3月8日 20時) (
レス) id: 8e40b31507 (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - まだご不便な思いをされているかとは思いますが、寒さも厳しい季節ですのでどうかご自愛くださいませ。今後も更新を楽しみにお待ちしております…！ (1月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - なぎテラスさん» ご返信も更新も本当にありがとうございます…！😭 ご親族様が無事に避難されましたこと、そしてなぎテラスさんのお気持ちや生活が少しでも落ち着いたとのことで、本当に安心致しました。→ (1月13日 16時) (レス) @page16 id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
なぎテラス(プロフ) - また日常に戻れるのがいつになるかは分かりませんが、一日一日を大切に過ごしながら、空いた時間があったらこちらの作品も進めていこうと思っております。温故知新さんのコメント、本当に励みになりました！重ねてお礼申し上げます。 (1月12日 19時) (レス) id: 489c1c6afd (このIDを非表示/違反報告)
なぎテラス(プロフ) - 温故知新さん» 返信遅くなってしまって申し訳ありません。温かいお言葉とお気遣い、本当にありがとうございます。心の底から嬉しいです…！今日親族が都市部へ避難出来ましたので、気持ちも忙しさも以前より落ち着きました。 (1月12日 19時) (レス) id: 489c1c6afd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎテラス | 作成日時：2023年1月30日 11時
