鎖の中 ページ5
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【あの子は本当にレプリカなの?】
その冷たく、愛すら情すら篭ってない声で言うその積み重ねられたような積木の言葉。
レプリカ。複製品_______
その冷たい言の葉に、ふつふつと心の奥に何かが這い上がってくるような気がしました。ですが_____それは気のせいでしょう。
「…レプ、リカ」
複製品_______未だにあの言葉が頭の中にがしゃんがしゃん、と縛りつけるように残っています。ぐちゃぐちゃに切り刻まれた“何か”のようにとても恐ろしく怖いです。
まるで、“あの子“のように怖い_______なんて、思っていると。モナ・リザのような女性とぱちり、と目がゆっくりと合いました。
「_______やあ!君が新しく召喚された子かい?」
そのモナ・リザのような女性は明るく、可愛らしく、美しく_______私に優しく微笑んでそう言いました。
ごうごう、と燃え盛る炎のようではなく、太陽なような笑みでそう言ったのです。
「…え、あ……と、え?」
困惑しているような言葉ばかり。気づかないうちにそう言っていました。
その女性は何が面白いのか、突然カラカラと「あっはっは」と笑い始めました。
「…あぁ、そうだ、後で工房に来てくれ」
モナ・リザのような女性はカラカラと笑うのをやめ、甘い甘い微笑を浮かべて私に色々な場所が書かれている紙を渡しました。
_______ですが、その女性は突然後ろを向き、コツコツと歩いていったのです。そして、何かを言っていたようですが私にはわかりません。
(ダ・ヴィンチちゃんが言ってた「何か」は自分の名前を教えただけなんですけど何故か主人公には聞こえなかったっていう。)
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作者名:まかろんさらだ | 作成日時:2019年1月31日 17時