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143:日常の始まり ページ41

浅見様が持ってきていた着物を
物色して全てが終わった頃には、
空は薄暗くなっていた。

それでも浅見様は戻らねばならないと言うので、
外まで見送ってから中に入る。

着物が並んだ部屋にもう一度入り、
私はある一式の着物を手に持って部屋から出た。




永倉「Aちゃん。
近藤さんと飲みに行きてえんだが、
何処かいい店を知らないか?」

A「それなら、少し先に
鬼たちが営む飲食街があります。
そこならお酒も飲めると思いますよ。
女の人はいませんが」

原田「近藤さんと飲めれば、それでいいんだよ」

近藤「しかし、いいんだろうか?
俺が外に出ても…」

A「大丈夫ですよ。
人間が来るような場所ではないので、心配いりません。
門限もありませんから、ゆっくりしてきてください」




そう言うと、永倉さんは嬉々とした笑顔を浮かべ、
近藤さんの腕を取って歩き出した。

はっと思い出し、
原田さんの腕を取って引き止める。

そして懐から一つの巾着を取り出して、
それを原田さんに渡した。




原田「これって…」

A「これで飲んできてください」

原田「いや、そういうわけには…」

A「近藤さんは
私たちの代わりに頑張ってくださいました。
御給金みたいなものです。
少ないですけど、好きな物を食べさせてあげてください」

原田「………そう言われちゃあ断れねえよ。
ありがとな。
近藤さんに、そう伝えるよ」




巾着を受け取った手と逆の手で、
原田さんの逞しく大きな手で
優しく頭を撫でてくれる。


そうそう、撫でるってこれだよね。


なんて思いながら、
いつぞやのガシガシと撫でられた
土方さんの手を思い出す。

あの時は、これは撫でるって言うのか?
って疑問になったけれど、
本人がいない今、
それがほんの少しだけ恋しく感じてしまった。


原田さんの背中を見送り、
抱えていた着物をもう一度抱え直し、
目的の場所へと向かう。

特にここにいて欲しいとか、
そんな話はしていない。

だけど何となくここにいるような気がして、
迷わずこの部屋へ来た。




A「やっぱり、ここにいましたね」

斎藤「すまない、勝手に…」

A「いいえ。
この部屋は斎藤さんが使ってくださって構いませんよ」

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何度も読み返して読んでます。斎藤さんとの恋仲で幸せです。涙が流れてます。 (2020年5月26日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント&一気読みありがとうございます!風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2019年10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (2019年10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月2日 16時

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