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いつも通り耳たぶに傷を付け、
血を啜りだす。

あの感覚に体中が支配され、
口に手を当てて必死に堪えた。


しばらく血を啜っていた唇は、
一つの吐息と共に離れる。

その吐息が耳にかかって、ほんの少しだけ肩を竦めた。




斎藤「あまり、可愛い反応をするな」

A「そ、そんな事を言われてもっ!」




衝動が治まり、座ったまま、
斎藤さんはもう一度私の体を抱きしめる。

それに応えるように斎藤さんの背中に腕を回せば、
耳元でフッと笑った声が聞こえた。


何故、笑うんだろう?
笑うような事、あったかな?




A「何故、笑うんですか?」

斎藤「やっとか、と思っただけだ」

A「……そういえば、いつからですか?」

斎藤「何がだ」

A「あの、その…、
私の事を、す、好きだって…」

斎藤「あんたが変若水を作った時だ。
その時、俺はあんたに惚れていると、気が付いた」




そ、そんな前から?!
数年前ですよ?!

全然気付かなかったな…。


斎藤さんは普段から表情に出ない人だから、
気付けるはずもないか。


いや、姉様が言ってた。
私は疎いんだと。

疎すぎて気付かなかった。
そっちの方がしっくり来るかも。




斎藤「……あんたから、何も聞いていないのだが?」




私が驚いていると、
急に降りかかる少し不機嫌な声。


何を?
言ってない事って、何だ?
何か隠してたっけな?


捻るようにその言葉の答えを探していると、
また耳元で斎藤さんは笑う。




斎藤「本当に、あんたは疎いんだな」

A「……分からないものは、分かりません」

斎藤「俺は、はっきりと伝えたはずだが?」




伝えた?

……ああ、そういう事か。


質問攻めしかしていない事に気付き、
少しだけ笑ってから口を開く。




A「私は、斎藤さんの事が好きです。
ずっと、お慕いしておりました」




今は戦の最中。

なのに、こんなに幸せでいいんだろうか。


夜が明ければまた、
私たちは戦いに身を投じなければならない。

いくら鬼の体でも、
当たり所が悪ければ死んでしまう。

それなら今だけは、この幸せを噛みしめよう。


いつ、この瞬間が無くなってしまっても、
悲しまずに済むように…。

127:道中<ほぼ会話のみ>→←****



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何度も読み返して読んでます。斎藤さんとの恋仲で幸せです。涙が流れてます。 (2020年5月26日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント&一気読みありがとうございます!風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2019年10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (2019年10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月2日 16時

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