＊＊＊＊ ページ38
A「何？兄様。
その顔、気持ち悪いよ？」
南雲「ちょ！その言いぐさ、酷くない？！」
A「ニヤニヤしながら人の顔見てるんだもん。
そう言いたくもなるよ」
悪戯心を剥き出しにして揶揄うのは、
今の現状が恥ずかしいという理由もある。
おぶわれながら、
視線はそのまま空を見た。
綺麗な青空。
姉様たちは海の上なんだろうな…。
そう思いながら少し俯くと、
サラッと落ちてくる自分の髪。
その髪色が元の色に戻っていた。
A「いつの間に…」
風間「意識を奪った瞬間に戻ったぞ」
A「……そっか。
私の変若水、全部使っちゃったなぁ…」
斎藤「また、作るのか？」
A「……落ち着いたら、作ると思います」
でももう、保険のような変若水はいらない。
私だけの、
私の為の変若水を作るだけ。
あの時のような危険はない。
だけど斎藤さんは違うようで、
変若水を作ると聞くと、
体が強張ったような気がした。
A「大丈夫ですよ。
一本分だけですから、あの時のようにはなりません」
風間「そうでなければ困る」
A「何で、ちー君が答えるのよ！」
天霧「風間、Aたちの邪魔をするのは止めなさい」
風間「誰が邪魔をしているというのだ。
邪魔などしておらん」
不知「そこにいるだけで邪魔なんだよ。
ほら、今は放っておいてやれよ」
匡ちゃんはちー君の腕を引いて、
原田さんたちの所へ歩いていく。
ちー君は文句を言いたそうだったけれど、
それでも素直について行った。
やっと周りが静かになり、
私は斎藤さんの背中に体を預ける。
特段、体が辛いというわけではない。
ただ、どれだけ姉様の意思を
尊重したと正当化したとしても、
やっぱり心配なものは心配だ。
それに、土方さんも…。
斎藤「副長は、約束を違えるような人ではない。
雪村を連れて、必ず戻ってきてくださる」
口に出して言ったつもりはないのだけれど、
何故か斎藤さんは
私が考えている事が分かってしまったようだ。
だけど、何故だろう。
斎藤さんがそう言うなら、
本当にそうなんじゃないかって思わせてくれるから不思議だ。
もう一度、斎藤さんの背中に顔を付け、
口角を上げて微笑んだ。
A「斎藤さんは、
読心術がおありなんじゃないですか？」
斎藤「そんなもの、持ち合わせてはおらん」
土方さんなら、
姉様を連れて戻ってきてくれる。
そう信じて待とう。
こうして、私たちの戦いは幕を閉じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何度も読み返して読んでます。斎藤さんとの恋仲で幸せです。涙が流れてます。 (2020年5月26日 21時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント＆一気読みありがとうございます！風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2019年10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (2019年10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まほろ | 作成日時：2019年10月2日 16時
