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140:最後の慈悲 ページ34

永倉「Aちゃん…、
痛くねえのか…?」

A「え?
ああ、何か痛いなぁとは思っていたんですけど…」




先程から肩や背中に痛みを感じてはいたのだけれど、
そこまで気にするほどの痛みじゃなかった。

気付けば私の肩と背中には
刀で斬られた傷があって、
そこから流れる血を美味しそうに啜る羅刹。


はっきり言って気持ち悪い。

あれだけ沖田さんや平助君、
斎藤さんに血を与えていたというのに、
羅刹に啜られていると思うだけで
嫌悪感が半端じゃない。


右肩に噛みつくように
口を寄せる羅刹の額に銃口を宛がい、
躊躇もなく発砲する。

ズルリと落ちる羅刹の体を蹴り飛ばすように体を捻り、
その後ろに群がる羅刹たちを大通連でなぎ倒した。

一振りで十体弱の羅刹が倒れる。

これなら綱道の所まで
すぐに辿り着けそうだ。




A「話は終わってからにしましょう。
今は綱道を始末する事に専念します!」

風間「鬼神か。Aには似合わぬな」

A「そんな事を言われても、
戦闘血があるんだから仕方ないでしょ」

不知「赤い髪のAも可愛いぜ?」

A「白い髪ですら
そんな事を言った事ないくせに」




もう一度口角を上げて、
ニヤッという音が似合う笑い方をする。

ちー君や匡ちゃんが近くに来て、
一緒に羅刹たちを斬り捨てていく。

斬っても周りにいる羅刹たちが、
行動を守ろうとこちらへと寄ってくる。

だけどそれを天霧君たちが対処してくれた。

おかげで私たちの前に増える羅刹は減り、
だんだん綱道へ近づいていく。




A「鉄壁じゃなくなってきたんだし、
そろそろ出てきたら?」

綱道「チッ!
まさか、お前が変若水を飲むなんてな」

A「あんたを囲む羅刹が鬱陶しいから飲んだだけ。
それでも、鬼神を間近で見られた事は
有難いと思って欲しいけどね」




綱道を取り囲む羅刹が減り、
綱道自身の姿がはっきりと見えてくる。

ふと隙間が出来、
綱道の全身を視界に捕えた。


それを見逃す私ではない。


地面をトンッと蹴って飛び、
その隙間を広げるように羅刹を斬り捨てる。

大きく開いた隙間に体をねじ込ませ、
綱道の首に大通連を宛がった。




A「つーかまーえたっ!」

綱道「楽しそうじゃないか」

A「ええ、とっても楽しいよ。
やっとあんたを斬れるかと思うと、
体がウズウズするよ」

綱道「急所を捕えてるんだ。
そのまま引けばいいものを…」

A「姉様の為にも、
あんたとは話をしなきゃならない」

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何度も読み返して読んでます。斎藤さんとの恋仲で幸せです。涙が流れてます。 (2020年5月26日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント&一気読みありがとうございます!風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2019年10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (2019年10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月2日 16時

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