１３２：傍観 ページ16
慶応４年８月。
白河城での戦いを終えてから、
一月が経過した。
なのに私たちは、
未だに仙台へは到着していない。
何故なら…。
A「会津は戦だらけだね…」
仙台へ向かおうとすればするほど、
私たちは戦に巻き込まれていく。
今は母成峠にて足止めを食らっている状態。
ここに羅刹はないが、
会津藩への恩返しだという斎藤さんは、
この戦を見て見ぬふりが出来ない。
私たちは手を出す必要はないと言っていたけれど、
やっぱり気になってしまうし、
私たち三人は木の上からその戦を傍観している。
天霧「Aが黙って見ているだけとは。
珍しい事もあるものですね」
A「え？ああ、うん…。
何かさ、ちょっと考えちゃうんだよね」
風間「何を考える事がある」
A「この戦、必要ある？って…。
旧幕府軍のお偉いさんたちは、
もう戦う気力なんて失くしてしまっているのに…」
風間「人間たちの言う"武士"の気持ちが
邪魔をしているのだろう。
我ら鬼に、武士などおらぬからな。
その武士の気持ちは分からぬでもないが、
争いは争いしか生まぬ」
天霧「我ら鬼たちは、争いを好まない。
Aに人間たちの気持ちが分からないのは、
仕方のない事でしょう」
鬼たちの平穏の為に戦うなら、
私はいくらでも戦おう。
でも、この人間たちの争いは、
簡単に言えば権力争いだ。
ちー君が言っていた通り、
争いは争いしか生まない。
その言葉は、今の人間の世がいい見本だ。
A「こんな戦、早く終わってしまえばいいのに…」
天霧「人間には人間の事情がある。
我らが口を出していいものではない」
A「………そうだね。
それでもこれ以上、
人が傷つくのも、傷つけられるのも見たくない…」
風間「Aは甘い。
愚かな人間のやる事だ。放っておけ」
ちー君が冷徹なだけでしょ。
まったく。
もう少し暖かい心を持てばいいのに。
そんな会話を繰り広げながら、
母成峠の戦を見ている時だった。
南雲「A！やっと追いついた！」
A「え？に、兄様？！」
急に下から呼ばれたかと思えば、
最近めっきり連絡の取れなくなっていた兄様だった。
そこにいる兄様は娘姿ではなく、
完全な洋装の男装だった。
男装もおかしいか。
兄様は男なんだし。
任様はにこやかに木の上に飛び乗ってきたかと思うと、
勢いよく私に対して頭を下げた。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何度も読み返して読んでます。斎藤さんとの恋仲で幸せです。涙が流れてます。 (2020年5月26日 21時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント＆一気読みありがとうございます！風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2019年10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (2019年10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2019年10月2日 16時
