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124:二つの新選組 ページ47

雪村の村を出て、
隊士さんたちが待つ場所へ
戻ってきた。

そこには山南さんと山崎さんが来ていて、
どうしたのかと聞けば、
白河城の様子を窺いに来ていたらしい。




A「新選組の羅刹の人たちを、
置いて来て良かったんですか?」

山南「新選組の羅刹隊は、もうありません」




聞けば、この会津に来てから、
山南さんはまがい物の研究を止めてしまったのだと言う。

そして血に狂ってしまった羅刹たちを、
山南さんが始末したのだと…。




山南「今や幕府の顕現はほとんどありませんからね。
やっと私は、
変若水の研究から手を引く事が出来たんです。
もう人を狂わせなくて済む。
そう思うと、とても心が軽くなりましたよ」




山南さんの表情はとても穏やかで、
少し遠い目をしていたけど、
それは実験台にされた隊士さんたちを思っているのだろう。

そして戻ってきた私たちの会話は、
近藤さんの話で持ち切りだった。

私たちの話を聞いて、
山南さんと山崎さんはとても驚いていたけれど、
二人からは
これでもかと言わんばかりのお礼を言われてしまった。


こんな戦いの中で笑える時は、
笑っていて欲しい。


その時、島田さんが走って来た姿が見えた。

そして言い渡された伝令、それは…。




島田「会津藩はこれから白河城奪回の為、出陣するそうです。
ですが新選組は、
仙台へ向かい東北諸藩と共に戦え。と…」




その伝令は、
私にとっては待っていた機会だった。

白河城。

それは、綱道がいる場所だから。

だけど新選組は仙台に向かえ。
それが、命令…。


皆さんは仙台へ行ってしまうのか…。




原田「俺はここに残るぜ。
今は新選組じゃねえからな」

永倉「俺もだ。
Aちゃんとの約束があるしな」




お二人の言葉に感極まりそうだ。

もしかしたら一人で。
なんて考えていた自分が、少し恥ずかしくなる。




沖田「僕は土方さんに付いて行きますよ。
近藤さんの代わりに見守ります」




沖田さんはそうするだろうな…。
何処かで、そう思っていたんだ…。

すると土方さんは私に目を向け…。




土方「お前は、どうするんだ?」

A「私には、やる事がありますから。
ごめんなさい。ここに残ります」




その言葉に、少しだけ土方さんの表情が曇った。


そう、だよね…。
私は新選組を最後まで見届けるって言ったのに…。

それでも綱道と戦わなくてはならない。

あのまま綱道を放っておけば、
鬼だけではなく、人間にも影響が出てしまう。

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月26日 17時

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