１１８：原田と不知火 ページ34
A「そう、だったんですか…」
土方「そんな顔してんじゃねえよ。
俺は後悔なんてしてねえ。
これでまた、近藤さんの為に戦えるんだからな」
近藤さんの為、か…。
この人は、本当に変わらないんだから…。
今でも土方さんは新選組の為、
近藤さんの為に戦ってるんだな…。
土方「最期は、腹を斬らせてやりたかったんだがな…」
沖田「あんな最期だなんて、新政府軍も惨いですよね」
千鶴「井上さんも…」
近藤さんたちの事を思いだしたのか、
三人は辛そうな顔をする。
何だか雰囲気が重くて暗い。
だけど、その空気を払拭したのは原田さんだった。
原田「それにしても、A。やってくれたな」
千鶴「……何の話ですか？」
原田さんの言葉に、私は驚いたように目を見開く。
それと同時に、
皆さんが不思議そうに私を見て来る。
あまりにもみられるから、
居心地が悪そうに匡ちゃんを見れば、
「そろそろ言ってやれよ」
と促され、
一つのため息を吐いてから仕方なく口を開いた。
A「匡ちゃんに頼んで、
原田さんの動向を見守ってもらいました」
全員「はあぁぁ？！」
不知「俺とAの互助の一つだ。
永倉の事も見守って欲しいって言われたんだけどよ、
俺の体は一つしかねえからな。
それでも最初のうちは永倉の後も追ってたんだぜ？」
永倉「何？！全然気付かなかったぜ？！」
不知「当たり前だ。
気付かれねえようにしてたんだからな。
だが、永倉は案外見守ってなくても無茶しなさそうだったしな。
だから俺は、原田を追ってたっつうわけだ」
原田「ま、おかげで俺の命は助けられたんだけどな」
そう言うと、
原田さんは自らの髪を白くさせる。
その姿に、この場にいる全員が驚いた。
A「飲まなければいけない事が、
あったんですね…」
不知「あのまま放っておいたら、
こいつは死んでたからな」
永倉さんが得ていた情報。
寛永寺での新政府軍の攻撃。
それに原田さんは巻き込まれる事になったらしい。
だけど、匡ちゃんから事前に聞かされていた事。
それは羅刹についてだった。
綱道が作ったあの異様な羅刹。
その羅刹たちに大量の血を与える為に、
大きな戦のあとに羅刹を派遣させるだろうと踏んだ原田さんは、
そこに向かったのだと…。
羅刹との戦闘で原田さんは重傷を負い、
命を落としかけていた。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2019年9月26日 17時
