検索窓
今日:1 hit、昨日:21 hit、合計:70,908 hit

104:雪村綱道 ページ4

近藤さんを逃がすため、
私たちは甲府から江戸に向かって
走っていた。

気付けば太陽も沈み、
そろそろ野営をしなければいけないかと思っていた時。

先頭を走っていた
斎藤さんと平助君の足が止まる。




千鶴「どうしたんですか?」

A「敵が、いる…」

千鶴「え?!」

藤堂「しかも、人じゃない」

A「鬼でもない…」




この気配は感じた事がある。

これは…。




斎藤「羅刹」

近藤「何だって?!」




山の茂みから、
ゾロゾロと異様な出で立ちの羅刹たちが出てきた。

でもその羅刹たちは新選組が、
山南さんが研究をしていた羅刹とは少し違う。




藤堂「羅刹だろ?!
何で左右で目の色が違うんだよ!」




そう。
目の前に出てきた羅刹の目は、
金と赤の異色だった。

羅刹の特徴は、白髪に赤い目のはず…。

金の目は、鬼の目だ…。




A「どういう事…?
何で鬼の目を持ってるの?!」

羅刹「雪村A。お前には死んでもらう」

沖田「羅刹に、自我がある?!」

藤堂「狙いはAって、どういう事だよ!」




鬼が私を狙うなら、まだ分かる。
何故、羅刹が私を?!

羅刹の狙いが私だと分かると、
斎藤さんと沖田さんは
私を隠すように立ちはだかる。




A「何故、私…?」

羅刹「綱道様を押し上げる為。
雪村A、お前が邪魔だ」

沖田「綱道様って…っ!あの綱道さん?!」




雪村綱道。

鬼だけじゃなく、人までも…。
何の罪もない人を…っ!

私の中で、怒りがフツフツと湧き上がる。




斎藤「何をするつもりだ」

藤堂「……A?」




斎藤さんと沖田さんの間を割って前に出る。

気付けば、私の髪は白に変わっていた。


片手には大通連。
もう片方には銃。

その銃を羅刹ではなく、
茂みに向けている事が不思議なんだろうと思う。




A「姿を現す事も出来ないのか」




何の躊躇もなく発砲した。

「うっ」という呻き声が聞こえたかと思うと、
ガサガサと茂みを踏む音がして、
そこから腕を押さえながら
一人の男が出て来た。

坊主頭に初老の男。

きっとこいつが、雪村綱道…。




綱道「気配は完全に消したつもりでいたが、
さすが戦闘血の持ち主といったところか」

藤堂「綱道さん!」

千鶴「父様!」

斎藤「何故、あんたがここに!?」

沖田「気に入らない人だとは思っていたんだけど、
ここまでとはね」

近藤「綱道さん!
あなた、ここで何をしているんだ!」

****→←****



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月26日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。