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110:その頃<斎藤一> ページ21

その報せは突然だった。




山崎「斎藤組長、副長からの伝令です。
これより隊士を率い、会津へ迎えとの事です」

斎藤「何故、そのような事に?」

山崎「局長と井上組長が、捕縛されました」

斎藤「!?」




捕縛という言葉は信じがたいものだった。

だが、副長命令。

副長がそのように命じるのであれば、
俺が長岡邸に戻る事は許されない。




斎藤「分かった。総司には俺から伝えよう」

山崎「……A君の姿が見当たらないようですが」

斎藤「今、席を外している。
戻ったらAにも伝えておく」

山崎「お願いします。
俺は経路に敵がいないかの偵察へ行ってきます」

斎藤「頼む」




伝令を受けた俺は、
真っ先に総司の所へ向かった。

隊士たちの教練を見ている総司の隣へ静かに体を滑らせ、
耳打ちをするように報告をする。




沖田「ちょ、ちょっと待ってよ!
どういう事?!」




総司の焦った声音に、隊士たちの動きが止まる。

何のための耳打ちだと思っているのだ。
隊士たちに今、
事実を告げれば混乱が生じると分からぬのか…。




斎藤「副長命令だ。
これより会津へ向かう。準備しろ!」

隊士「……はい!」




俺の揮発に隊士たちの動きは再開され、
出立する準備が始まった。

総司の腕を引き、
隊士たちから少し離れた場所へ移動する。


山崎からの伝令と、
俺自身の予想を織り交ぜて話をすれば、
総司は長岡邸へ戻ると言い出した。


局長が関わっているんだ。
総司ならそうするだろうと予想はしていたが…。




沖田「Aちゃんは?」

斎藤「互助の話をしに行っている」

沖田「こんな時にいないなんて…。
ここは一君に任せるよ」




それだけ告げ、
総司は走って行ってしまった。

思い立ったら考えなしに行動する所は、
どうにかならないのか…。


出立の準備をしていると、
少し遠くの方から話声が聞こえて来た。

その声を、俺が聞き間違えたりなどしない。

Aが戻ってきたのだ。




A「途中で抜けてしまって、すみません」

斎藤「戻ってきたばかりで悪いが、すぐに出立する」




不思議そうに首を傾げているAに、
山崎からの伝令を告げた。

Aも驚いてはいたが、
総司とは違い

「命令なら…」

と納得したようだ。


準備を済ませた俺たちは、
全員を率いて教練場を後にした。

まさか局長たちが捕縛されるとは…。

いや、どんな事が起こるかは分からない…。


これから新選組はどうなるのだろうか…?

111:その頃<沖田総司>→←****



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月26日 17時

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