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103:撤退しましょう ページ1

私の気持ちは晴れ晴れとしていたが、
辿り着いた甲府では
最悪な事になっていた。




土方「甲府城が、敵の手に落ちちまってるとはな…」




到着が遅れたからなのか、
それとも端からそうなっていたのかは定かではないけれど、
甲府城は敵のものとなっていた。

晴れ晴れとした気持ちが、
一気に闇落ちしていく。


甲府城を先に抑えられたと知った隊士さんは、
半数が脱走してしまっていた。

その報せを聞いた近藤さんが辿り着き、
今は陣で幹部隊士さんたちが話し合いをしている。




近藤「撤退はしない。
この地に布陣し、敵の出方を見る」




近藤さんのその言葉に、
永倉さんの不満は爆発していた。


困ったな…。
これは完全な負け戦だ。

いや、困っている場合ではない。

負け戦になるのであれば、
私はどのような策を取るのが最善なのか。

それを考える事が先決だ。




土方「俺が江戸へ行って援軍を呼んでくる。
この後合流する予定の部隊が、江戸で待機している。
だから、もう少しだけ辛抱しちゃくれねえか?」

永倉「……あんたに言われちゃ、仕方ねえな」




やっぱり土方さんはすごいな…。

あれだけ反発していた永倉さんが、
納得してしまうんだから…。


でも援軍を呼んだからと言って、
この戦は勝てない。

それなら、大将を死なせないよう守らなきゃ。

守るなら、どうしたらいい?
撤退だけはしないと言い張ってるし…。


………それなら、逃がすか。

だけど、近藤さんが逃げてくれるだろうか…?




千鶴「土方さん…」




そんな事を考えていると、
土方さんが陣から出て来て
江戸へ向かう準備をし始めた。

その後は姉様が追いかけていく。


土方さんの方は、姉様に任せよう。
私は、自分の責務を全うするのみ。




藤堂「A、ちょっといいか?」

A「ん?どうしました?」

藤堂「Aは近藤さんの護衛だろ?
それなら、近藤さんを逃がせねえかな?」

A「……平助君も、私と同じ考えなんですね。
私もそれが一番の策だと思っていました。
でも、近藤さんが素直に逃げてくれるでしょうか?」

沖田「きっと、近藤さんは逃げない。
逃げた時点で僕たちの負けだからね」

藤堂「もう既に負けてんじゃん。
こんな戦に勝算なんてねえよ」

A「ここで死んでしまえば、ただの犬死です。
それだけは避けなければなりません」




しばらく三人で考えていると、
姉様が土方さんの所から戻って来た。

****→



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月26日 17時

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