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千鶴「どうせ今は
難しい顔をしてるんでしょ?
Aは笑ってる方が似合うんだから、
もっと笑ってよ」

A「笑う、か…。
今は笑い方すら忘れそうだよ」

千鶴「まったく…。
そんな態度を取ってると、斎藤さんを困らせちゃうよ!」

A「何でそこで、斎藤さんが出て来るの?」




もう、姉様。滅茶苦茶だよ。
滅茶苦茶すぎて笑えてしまう。




千鶴「そうそう。
そうやって笑ってればいいんだよ。
Aの笑顔が、皆を救うんだからね」

A「私の笑顔で救われるなら、
神様なんていらないでしょ」

千鶴「……ねえ、A。
近藤さんの事、どう思ってるの?」

A「それ、前に沖田さんにも聞かれたよ」

千鶴「沖田さんと発想が同じだったか」




下から困ったような笑い声が聞こえる。

そういえば最近、
姉様と二人で話をする事が減ってたな…。

姉様になら、言いたい事を言えるかな?




A「私が新選組の人たちと出会った頃に比べれば、
はっきり言って近藤さんは変わっちゃったように思えちゃう。
最初の近藤さんの印象は、
ちょっと抜けた父様って感じだった。
でも、その抜けた感じがすごい良くて、
いつもピリピリしてる土方さんとは対照的で、
この人が局長だから
土方さんが副長で成り立ってるんだって納得できた。
すごく大らかで、器が大きくて。
誰にでも優しくて、
それでいて必要な時にはちゃんと怒ってくれて。
私は、近藤さんが大好きだったよ」

千鶴「過去形なんだ」

A「そういうわけじゃないけど…。
今の近藤さんは、何だか遠い存在に感じちゃうかな」




あの頃の、父様のような近藤さんじゃない。

今は幕府の人って感じがしちゃうんだ。

だから、
何だか遠い人になっちゃった。そんな感じ。




A「ねえ、姉様。もし、もしだよ?
この先、新選組の人たちがバラバラになっちゃったら、
姉様はどうする?」

千鶴「…………どうするっていうのは、
どう思うかって事?
それとも、誰に付いて行くのかって事?」

A「……両方かな」

千鶴「バラバラになっちゃうのは寂しいけど、
それがその人の選んだ道なら止める資格はないし、
その人の意思を尊重したいと思う。
誰に付いて行くのかって聞かれたら、
私は迷わず土方さんだよ。
誰かが付いていないと、土方さんは自分を顧みないから。
はっきり言って心配なんだ。
だから、私は土方さんに付いて行く」

A「……姉様らしいね」

千鶴「Aは、斎藤さんでしょ?」

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

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