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最初に来たのは原田さんだった。




A「上手く出来るかは分かりませんが、
精一杯やらせていただきます!」

原田「そんな力入れなくてもいいんだぜ?
適当にバッサリいってくれ」




適当になんて出来るわけがない!


心の中でそう叫び、原田さんの結い紐を解いた。
もう、この結い紐も使わなくなってしまうんだ…。




A「では、行きます!」




また意気込み、原田さんの髪へ鋏を入れた。


バサッ


大きく切った髪は、紙の上へ落ちる。


原田さんの長い髪、似合ってたのにな…。
もう結った姿は見れないのか…。


ただ髪を切っているだけなのに、
何故か感傷に浸ってしまう。




A「これでどうでしょう?」




自分の中では上手に切れたし、
綺麗に整えられたと思うのだけど…。

手鏡を原田さんに渡し、確認をしてもらった。




原田「おお!いいじゃねえか!
やっぱりAに頼んで正解だったな」

A「良かった…。でも、勿体ないです。
原田さんの髪、好きだったのに」

原田「そう言って貰えると嬉しいよ。ありがとな。
でも、短いっつうのもいいもんだな。すげえ軽いわ」




次に平助君を呼んできて貰うように頼み、
その間に切った髪の掃除をする。

いくら下に敷いていると言っても、
やっぱり畳に落ちるよね。

出掛ける前に掃除をしなきゃ。


………大変だろうけど。




藤堂「んじゃ、頼むな!」

A「平助君の髪は長いから、
原田さんの髪より勿体ないです…」

藤堂「髪なんて伸びるじゃん。今だけだよ」

A「そうなんですけど…、
そうなんですけどぉ!」




確かに時間が経てば髪は伸びる。

だけど平助君の髪は長いから、
同じだけ伸びるまでにどれだけの時間が掛かるんだろうと思うと、
途方もないと思えてしまった。


それでも髪に鋏を入れる。

一気に切ってしまうのは忍びなくて、
少しずつ切っていった。




A「こんな感じで、どうですか?」

藤堂「おお!すげえ軽い!」

A「原田さんと同じ事を言ってますよ」




フフッと笑うと、平助君は照れたように笑った。

短い髪も似合ってるな…。
これはこれでいいかもしれない。


私の中で何かが吹っ切れ始めた。

****→←100:断髪



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

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