【薄桜鬼】純血を巡る者５ (ページ3)

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さすがに
湧いて出てきているわけではないようで
安心した。

残り数人。

やっとそこまで来た時、
私の視界が急にグラついた。

もう少しなのに、
こんな所で高熱が邪魔をする。

沖田「Aちゃん！後ろ！」

霞む視界の中、
刀を構えながら後ろを振り向いた瞬間だった。

ザシュッ！

A「う…っ！はぁっ」

沖田「Aちゃん！」

鬼２「ふははっ！どうだ？この刀の味は」

大丈夫。
斬られても私は鬼だ。

すぐに塞がるし、血も止まる。

はずだった。

A「ど、ういう事…？
血が、止まらない…？」

両目を押さえてみたものの、
血がボタボタと地面に落ちる音が響く。

視界は闇。

斬られたのは両目なのに、
体中に激痛が走る。

鬼１「冥途の土産に教えてやろう。
お前を斬ったその刀は童子切安綱。
お前なら分かるだろう？
それともう一つ。
詮索していたようだったから教えておいてやる。
雪村綱道は、俺たちの頭だ」

A「童子切、安綱…！？
何故、お前たちがその刀を！
それに、雪村綱道が頭とはどういう事だ！」

鬼２「これ以上お前に教える必要はない。
今からお前は死ぬのだからな！」

ヒュッと刀を振り上げる音が聞こえたけれど、
熱と痛さで動けない。

もう、駄目か…。

鬼２「ぎゃぁぁぁぁ！」

沖田「僕の存在を忘れて貰っちゃ、困るんだけどな」

残りの鬼を沖田さんが切り伏せてくれているのか、
斬る音が少しの間だけ続いた後、
やっと辺りが静かになる。

終わった、の…？

沖田「Aちゃん、目が…っ！
それに、何で血が止まらないのさ！」

A「鬼斬りの、刀ですっ。
あれに斬られると、鬼でも治りが遅いんです…っ」

沖田「とにかく止血をしないと！」

原田「A！」

土方「おい、大丈夫か！？」

静かになったのを見計らってなのか、
土方さんと原田さんが来てくれた。

きっとこの二人の事だ。
本当は加勢したかったに決まってる。

でも良かった…。

この場に来ていたら、
怪我は免れていなかっただろうから。

A「ありがとう、ございます…っ、
待っていてくれて…、姉様を守ってくれて…」

土方「血が止まらねえだと…？！
傷が塞がらねえのか？！」

原田「A！おい、しっかりしろ！A！」

意識が遠のく。

急所を突かれたわけではないから、
きっと熱と出血のせい。

遠くの方で三人の声が聞こえる気がするけど、
私の意識はそこで途切れてしまった。