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お湯を沸かしている間、
今日の夕餉について考える。

姉様はお粥でいいけど、
ずっと同じお粥っていうのも飽きるし…。

風邪に効くっていったら…、生姜湯?
玉子酒もいいかもしれない。

でも材料がないな…。
誰かに頼んでお買い物に行ってもらおうかな…。

ちょっと高いけど、お砂糖も頼めたらいいんだけど…。


なんて、ボーッと考えていたらお湯も沸き、
お茶を淹れてから炊事場を後にした。




A「姉様、入るよ」




返事はなく、きっと寝てしまっているのだろうと思い、
静かに障子を開けた。

こんもりと膨れ上がった掛け布団。
少し荒い息に合わせて上下に動いている。

ふと姉様の枕元を見ると、
そこにはお団子や金平糖などのお菓子が
お供え物のように置いてあった。

皆さん、心配で見に来てらっしゃるんだな。

フフッと静かに笑い、
姉様の頭に乗せられている手ぬぐいを退けて水に浸す。
ギュッと絞ってからまた乗せたけど、
姉様の熱は朝とさほど変わらなかった。


大丈夫かな…?

もし明日になっても引かないようなら、
お医者様を呼んでもらおうかな…。




A「また、見に来るね」




そう一言呟いて姉様の部屋を後にした。


土方さんの部屋へ戻り、
先程炊事場で考えていた事を打ち明ける。

すると土方さんは快諾してくださり、
姉様のお見舞いだと、
土方さんが自腹で砂糖と玉子を買ってくださる事になった。

仕事をしている間に土方さんは永倉さんを呼んで
買い出しに行くよう指示し、お金を渡す。


これで姉様の夕餉は大丈夫。
皆さんの食事はいつも通りでいいかな…?


土方さんのお手伝いにキリが付き、
閉まっている障子を見れば茜色に染まっていた。




A「もう夕方…。
土方さんは毎日大変ですね」

土方「お前が手伝ってくれるようになってから、
俺は大分楽になったよ」

A「それなら良かったです。
土方さんは睡眠を削ってまでお仕事なさるから
駄目ですよ」

土方「そうなら。肝に銘じておくさ。
夕餉の支度だろ?ありがとな。助かったぜ」

A「いえ、またいつでも呼んでくださいね」




飲み終えた湯飲みを持って、土方さんの部屋を後にした。

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が…溢れて止まりません。 (2020年5月24日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月12日 14時

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