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天霧「Aの為です」




そんな強面なのに、
優しい事をサラッと言っちゃうんだから
困ったものだよね。




斎藤「では何故、
その娘は連れて行こうとしないのだ」

天霧「Aには約束があります。
それに前にも言いましたが、
Aは風間の嫁候補にはなれない」




鬼は一度した約束は果たさなければいけない。

それが掟。
だから私を連れ去ろうとはしない。


だけど、姉様には新選組と約束した事はない…、はず?

そういえば、そういう話はした事がないな…。


姉様を攫おうとするのは私の為。
姉様を守ろうとした結果。

私たちを危険に晒さない予防策。

藩とか立場とか抜きで、
やっぱり昔から兄のように慕った人たちは昔のままだ。




A「天霧君、ありがとう。
でも大丈夫だよ!姉様は私が守る。絶対に!」

天霧「……ハァ。あなたの笑顔は最強ですね」

A「何それ?ちょっとよく意味が…」

斎藤「フッ」

A「え?…えぇ?!何故笑うんですか?!」




笑われた理由がさっぱり分からない。

それでも斎藤さんの顔を久々に見れた事は嬉しかった。


……ん?嬉しかった…?

な、仲間だから!
そう!仲間だからだよ!


天霧君は抱えていた姉様を降ろし、
私の前に歩み寄って来た。




天霧「仕方ありません。
あなたの頑固は今に始まった事ではない。
風間には私から掛け合ってみましょう」

A「ありがとう!話を一番分かってくれるのは、
やっぱり天霧君だね!」

天霧「おだてても何も出ませんよ」

A「姉様をお嫁さんに欲しいなら、
ちゃんと申し入れをして!
それで姉様が受けようが振ろうが姉様の勝手。
それでいいでしょ?」

天霧「そうですね。
当人同士の話という事にしましょう」




ゴツゴツとした大きな手で頭を優しく撫でてくれた。
それが嬉しくて目を細めて笑う。




天霧「ですが今、風間は薩摩藩に手を貸しています。
それに関してはどうにもできない。
ある程度で見切りを付けると言っていますが、
それがいつまでなのかは私にも分からない。
新選組と敵対する事は変わりません。その時は…」

A「大丈夫だよ。それは仕方ないもん。
その時は私も全力で向かうから!」

天霧「とんだおてんば娘ですね。
では、私はこれで。
今度は普通に会いに行きます。
その時には昔のように手合わせをしましょう」

A「うん!」




フッと笑って風のように去って行った。
これでやっと、姉様の事で争わなくていいんだ…。

****→←81:夜の町人



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が…溢れて止まりません。 (2020年5月24日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月12日 14時

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