８１：夜の町人 ページ39
急に天霧君の足が止まり、
男の人の声がする。
？？「こんな所で会うとは、意外だな」
あれ？この声って…。
天霧「通して頂けませんか？
急いでいましてね」
？？「何故、あんたがその娘を連れている？」
やっぱり！斎藤さんだ！
こんな時刻に、
こんな場所で何をしているんだろう…。
いや、今はそんな事を考えている暇はない。
天霧君と斎藤さんの先まで行き、
屋根から飛び降りた。
斎藤「？……っ？！」
A「天霧君、姉様を放して」
御陵衛士と関わるのはご法度。
まっ、私は隊士ではないし、
話をするぐらいはいいかもしれない。
それでも土方さんに怒られる要因は作りたくないから、
斎藤さんは通りすがりの人という気持ちで見る事にした。
天霧「あなたは何故、ここにいるのですか？」
斎藤「通りかかっただけだ」
通りかかった？
こんな時刻に？
久しぶりに見た斎藤さんの姿に、
何故か私の心は明るくなった。
いやいや！
今はそんな場合じゃないんだって！
A「もう！
そんなに姉様をちー君のお嫁さんにしたいなら、
攫うなんてせずにちゃんと申し入れしなよ！」
天霧「ハァ…。あなたは分かっていない。
我々が攫おうとするのは、
あなたたちの物分かりが悪いからです」
A「なっ！またそんな事を言うの？！」
天霧「千鶴もAも、
新選組にいて良い事などない。
そう言っているのです。
どれだけ説得しても、あなた達は
新選組を離れる事をしないでしょう」
A「当たり前でしょ！
あそこが私たちの居場所だもん！」
天霧「それだからですよ。
A、あそこには、
あってはいけないモノがある事はご存じでしょう？」
あってはいけないモノ…？
羅刹の事…？
それとも、まがい物の事…？
天霧「あなたが考えている両方です」
A「人の思考を読み取らないでよ…」
天霧「あんなモノがある場所に
置いておきたくないんですよ。
心配なんです。Aの事が」
A「昔っからそうだよね。
私の事ばっかり心配して、
自分たちは悪役を買って出てさ…」
天霧「我々はあなたの為なら、
どんな悪役にだってなりましょう。
Aに千鶴が必要だと言うなら、
Aの為に千鶴を守ります。
しかし、あなたがどれだけ新選組が必要だと、
大切だと言っても、
まがい物がある限り認めるわけにはいきません」
A「じゃあ、姉様を攫おうとするのは…、
ちー君のお嫁さん候補っていうのもあるけど…」
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が…溢れて止まりません。 (2020年5月24日 15時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2019年9月12日 14時
